ガウリイの一言「本当に悪い奴は誰なんだ?」

「スレイヤーズTRY」をLDからDVDへのコンバート作業をやった。久しぶりにTRYを観たわけだが、今見ても「奥が深いなぁ〜」と思う。ストーリー的には中盤でイライラするほどの中だるみがあるのだが、それが実は最終局面への伏線だったりするのがやっかい。そしてお約束の「ギャグ月間」の部分はバッサリカットしてもいいじゃんと思えてくる。起承転結の「承」の部分をどうにかできなかったのかと思えるのだが、「転結」の部分までくると「テーマの重さ」が観る者に伝わってきて、最後までいっきに観る気にさせてくれる面白さがある。

スレイヤーズTRY
一番印象に残る箇所は、ストーリー上の一番難解な場面でガウリイの一言「本当に悪い奴は誰なんだ?」でしょうか。これは人間の歴史の中、いつの時代にも起きている「戦争」に通じるものがあります。「戦争」に「善」も「悪」もない、お互いに自分達が「善」で敵対するものを「悪」と思っているだけ。

それから『戦いのための戦い』がこのストーリーの最重要キーワードとなっているわけですが、戦いを続けるうちに本来の目的(お互いに切磋琢磨し己を高める)を見失い、相手に勝つ(相手を陥れる)ことだけが目的化してしまう『戦いのための戦い』に何の意義があるのか、大いに考えさせられる。

久しぶりに「スレイヤーズTRY」に観たことで「完結編(“スレイヤーズFINAL”か?)」が制作されることはないだろうと感じた。全ての母「金色の王『ロードオブナイトメア』」、神族、魔族、そして人間、それらの関係、争いの歴史、などなどストーリーそのものではなくスレイヤーズの世界観に関してTRYで全て明らかになってしまっているわけだから、“続き”を制作するのはチト困難なのかもしれない。でも、できれば劇場版でもいいから原作のストーリーをアニメ化して欲しいものである。



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