しんみりと最終回「危険なアネキ」でもムリヤリすぎ

第10話「顔だけイイ女が大逆転」

最終回は15分拡大枠で“しんみり”と勇太郎(森山未來)の心の中の葛藤を丁寧に描いてくれていて、良かったです。破天荒な姉に散々振り回されてきたが、最後は姉弟愛が全てを勝り、姉の全てを受け入れることを決意する。森山君の演技は絶妙でした。

だいたいこれでこの物語は終わり。主役は姉の寛子(伊東美咲)ではなく弟の勇太郎(森山未來)ですから、利己的な弟が姉という刺激剤(劇物)に影響(翻弄?)されながらも人の気持ちというものを理解できる人間に成長していくドラマです。

残りは“みながわ”の件をどうのように決着をつけるのかでしたが、ラストの10分でムリヤリ“ハピーエンド”に持ち込むとは、それまでの勇太郎ドラマが台無しです。

父親が作った借金“3000万円”を背負った理由が“みながわ”という看板を守るため。しかし、そう簡単には借金返済が上手くいくわけではなく、元“みながわ”の土地、建物が競売に掛けられることになった。ところが最後の最後で「債権者=借金取り」が“みながわ”のオーナーになり、めでたく“みながわ”復活。なんじゃこの展開は…。

存続の危機に陥った施設を放り出した母・容子(萬田久子)がこっそりと施設の様子を見に来るシーンであるが、これは容子が“ズルイ大人”であるとしか映りません。寛子によって施設が救われたことを武田(高嶋政伸)から聞かされ、そして寛子と勇太郎の気持ちを伝えられるのだが、容子の行動はこのシーンで全て許されちゃっていいのでしょうか。

ラスト10分はこのドラマをムリヤリ終わらせるためのシナリオでした。全ての帳尻合わせのためのシナリオです。駄作だとおもいつつ最後まで見てしまったが、やっぱり最後の最後で“駄作ぷり”を発揮しちゃったようなものです。全体的に見て“施設”の話は余分です。「母」の登場の仕方、そして容子と勇太郎にどのように絡んでくるのかもう少しシナリオ構成を煮詰めるべきでしたね。残念です。



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