トヨタイズムを支える「トヨタ」情報システム

愛知県にある企業(製造業)は何かにつけて「トヨタ」を意識します。

関連会社ならそれも当然かもしれませんが、全く関係ない企業でも「トヨタ」をなぜか意識して「トヨタは」、「トヨタが」、「トヨタの」、「トヨタなら」などなど事あることに比較対象の代名詞になっています。

企業規模がゾウとネズミくらい違っていても“比較対象”にしてしまうところが地元企業ゆえの哀しさ。

本質的な企業体質が違うし、企業規模が3ケタも違うのに「トヨタの真似をすれはなんとかなる」みたいなノリ。

トヨタの本質を理解して企業体質や社風そのものから変えていくのなら「悪あがき」も多少は効果があるだろうが、表面的な真似だけをして「なぜうちは上手くいかない」では良い結果が出るわけが無い。

前置きが長くなった…

先日、仕事がら興味深い本が出版された為、“会社の中の誰よりも早く”手に入れて読んでみた。


トヨタイズムを支える「トヨタ」情報システム
日刊工業新聞社
戸田 雅章【著】

躍進を続けるトヨタ自動車。
それを支えてきたITは、1960年代に本格的にスタートし、数々の進化を遂げてきた。
その現場で実際の実務に携わってきた著者が描く、戦略と変化に富んだトヨタITの40年とは。

序章 トヨタイズムと情報システム
第1章 トヨタの情報システム―その出発点と発展への道
第2章 トヨタのネットワーク・システムの始まりと情報システムの変革期
第3章 1980年代までの情報システムの反省と90年代の情報化の推進
第4章 社内情報システムの高度化の推進
第5章 トヨタ情報システム部門の分社化
第6章 21世紀のトヨタのネットワーク戦略と情報化

地元の中日新聞に新刊の紹介広告の枠があるのだが、そこは結構目立つ。

経営陣も地元の新聞をチェックしているハズで、もしかしたらこの本に気が付いている可能性が大。

何かのついでに「そういえばトヨタの情報システムの本が出たそうだな。お前、読んだか」なんて聞かれたら「もちろん」と答えなきゃ困るというものです。もし、「まだです」とか「いいえ」だと「お前はトヨタに興味は無いのか!」なんて怒鳴られるだろうし、「なんですか、それ」なんて答えてしまうと逆鱗に触れる可能性これも大。

エライさんというものは、自分ではこの手の本を読まないのに、下っ端には「勉強しろ!」と要求するものです。

さて、本の内容ですが、「トヨタの情報システムの歴史本」そのものです。著者が長年関わってきたことの「回顧録」であることが「あとがき」に書かれています。

「変わらざるは悪」
情報システムにおいても基本ポリシーのようです。
現状に満足せず、より良くする為に前へ前へと進み続け、そしてどこよりも先をいく。

何年に何を取り組んだのか具体的に書かれていますが、その取り組んだ時期の早さに驚きます。

1960年代半ばに、コンピュータ(FACOM202)を導入して設計計算や実験データの処理に使っていたとか、1970年にはトヨタ自工とトヨタ自販の間でコンピュータを直結して通信をやったとか、1987年に本社と東京ビル間でテレビ会議をやったとか、とにかく時代を先取りするような話のオンパレードです。

より良くするために「常に改善」。
単純に「新しいものが好き」ではなく、何をすべきか考えていけば「新しいもの」であった。

「より良くするためには何をすべきか」で取り組んできたトヨタの情報システムの歴史本といえる。

長年「情報システム」に関わってきた人が読むと良いかも知れません。

自社の情報システムの歴史を振り返ってみることで、いかにトヨタがスゴイのか良く分かります。



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