蒼き流星SPTレイズナー

ストーリー構成、演出など丁寧に作られていた良い作品だった。(1985年10月~1986年6月放送)

といってもそれは第一部での話であって、第二部は「北斗の拳」を意識したかのようなロボットアニメらしくない作画と演出であった。これはスポンサーの意向なのか、それともプロデューサが作品性を変えたかったのか、とにかく第二部は酷すぎ。

それでも第37話ではストーリー上の最大最高の場面を迎え、大いに盛り上がったところで次回に続くとなり、一週間が待ち遠しかった。ところが38話の冒頭を観た誰もが困惑したのでは?

なんということか、37話とは全然繋がっていない。それもいきなり最終回!

なんじゃこりゃ~

「打ち切り」にしても酷い終わらせ方だった。ストーリーの終盤のエピソードがバッサリカットされて訳が分からないうちに“The End”。

もし今から観るのならば、第1話から第24話までの第一部を観た後、第二部総集編「ACT-II ル・カイン1999」とOVA版の「ACT-III 刻印2000」を観ることをお勧めする。テレビシリーズの第二部を観る必要なし。

第37話でル・カインに破壊されたレイズナーがどうなったかは「ACT-III 刻印2000」の冒頭で観ることができ、ル・カインを中心としたストーリー構成でラストまで繋ぐ。

人気が有ったから「延長」したけど、やっぱり「打ち切り」では制作者も視聴者もやりきれないものがあります。最初から「1クール延長」としていたのならば、第二部もきっと良い作品になっていたかもしれない。「2クール延長」のつもりだったので話数稼ぎでムダなエピソードを盛り込んだ。ところが、突然の打ち切り決定で大切なエピソードを放送することなく、いきなり最終回。それも暫定の最終回。

名古屋地区では第二部から放送時間が早朝に変更されていた。突然の「延長」で放送枠を確保できなかったのか、それとも「打ち切り」を予想しての早朝枠へ移動させたのかは不明。

実のところ第二部があるからこそ、第一部も変な終わり方をしている。スポンサーとプロデューサに翻弄された哀れな運命を辿った作品。

1. あかい星にて
2. 彼の名はエイジ
3. その瞳を信じて
4. 心のこしての脱出
5. 守られても、なお・・・
6. とり残されて
7. 血はあかかった
8. 彼の叫びに応えて
9. 生きる道を求めて
10. エイジ?!と呼んだ
11. 地球の艦が来た!
12. さよならの赤い星
13. 宇宙にむなしく
14. 異星人に囚われて
15. 蒼き流星となって
16. 月よ! こたえて
17. 群がる殺人機
18. そして地球へ
19. 届かぬ思い
20. レイズナーの怒り
21. 我が名はフォロン
22. フォロンとの対決
23. 奇跡を求めて
24. 光になったエイジ
25. 駆け抜けた宇宙(第一部総集編)
26. 時は流れた!
27. 華麗なるル・カイン
28. クスコの聖女
29. 再会・謎の招待状
30. ベイブル奪還作戦
31. 仕組まれた聖戦
32. ああ、ゴステロ
33. 死鬼隊の挑戦
34. 狙われたアンナ
35. グラドスの刻印
36. 敵V-MAX発動
37. エイジ対ル・カイン
38. 歪む宇宙

OVA
ACT-I エイジ1996 第一部総集編
ACT-II ル・カイン1999第二部総集編
ACT-III 刻印2000 第37話以降のエピソードと“しっかり描いた”ラスト。

テレビシリーズの最終話は急ピッチで仕上げたようで、ラストシーンすらカットされている。



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