「マンガ 歎異抄入門」は分かりやすいのか?

分かりにくい「歎異抄」をもう少し理解したいため、探してみたところ漫画版があることが分かったため購入しました。


マンガ 歎異抄入門―極楽浄土の救い (サンマーク文庫)

「悪人こそ救われる」…絶対他力の信仰を説く、親鸞の教え『歎異抄』をこの1冊に集約。

刑務所に居た時に「歎異抄」の書籍をある僧侶からもらった青年は、「歎異抄」の教えに従って生きようとしているが、「前科持ち」のレッテルを貼られた青年は仕事に就くことができず困っている。ある日、偶然にも、その「暇を持て余している僧侶」と「出所して職探しに困っている青年」が再会した。

という設定で、全編漫画です。

単行本の初版が1991年3月、文庫本の初版が1995年4月という、すぐに廃刊になってしまう出版事情の中、未だに新品が売られているのが奇跡です。

さらに絵柄としては、20年どころか40年くらい前の漫画かと思えるほどの古さを感じ、「歎異抄のことを知りたい」という理由が無ければ、避けたくなる画風ともいえます。

内容については、歎異抄のことを何も知らない人が読めば、それなりに得るものがあるかもしれませんが、他の書籍を1冊でも読んでいる場合は、得るものはゼロです。逆に分かったつもりでいたことがらも分からなくなるかもしれません。

「僧侶と青年」を今風の構成で練り直せば、もっと良いものになりそうですが、「歎異抄」が流行になるとは思えないので、この「マンガ 歎異抄入門」は貴重な書籍かもしれません。



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