ブロンプトン初号機「旅仕様」の最終形

2010年10月3日の東海道を走る「岡崎宿~宮宿」がブロンプトンを使った自転車旅の「はじめの一歩」でした。

当初は近場のポタリング感覚の延長でちょっと西へ、ちょっと東へという具合に広げていきましたが、「東京~大阪」を終える頃には本格的な自転車旅に発展。それに合わせて、ブロンプトンのカスタマイズとエンジンの強化(トレーニング)に励んできました。

エンジンについては、日々のジテツウトレーニングで過酷な自転車旅に耐えられる体力、脚力、持久力、回復力を手に入れることができました。ブロンプトンのカスタマイズについては、最適解を求めて現物合わせの試行錯誤の繰り返しながらもようやく最終形に辿りつきました。10kgの荷物を運搬しながらも単日の走行距離が200km、獲得標高が1000m程度なら何とかなります。

もともと上りを苦手とするブロンプトンですから、さらに荷物が多いとなれば、獲得標高が増えるほど走行距離が減っていくのは当然です。いきあたりばったりの自転車旅ではないため、立ち寄りたいところに寄りながらも暗くなる前に宿に到着するためには所要時間の目安が必要になりますが、「(走行距離+獲得標高*30)/20」でだいたいの所要時間が分かります。これに観光時間と使える時間を考慮して、走行可能距離を設定しています。宿の確保の問題で走行距離を変えられない場合は、観光時間を減らすか使える時間を増やすことになります。

改めて、ブロンプトン初号機「旅仕様」のおさらい

リアホイールはこれで3本目で、新リムになっています。内装変速のシフターを「スターメィアーチャー SLS30 T3 内装3段サムシフター」に交換。

スプロケットは厚歯の14Tが摩耗したため薄歯の14Tに交換。厚歯の14Tが手に入らなくて仕方なく薄歯になったのですが、このことでフロントダブル化へと進むことになります。

クランクは「スギノ MIGHTY TOUR 167.5mm」に交換。このクランクを使うことで、フロントダブルでもQファクターを狭くすることができます。チェーンリングは「FSA 50/34T ※再利用品」に交換。

BBは「スギノ CBBAL-110」に交換して、3.5mmのスペーサーを使用。ブロンプトンのBBシェルは左側にずれているため、BB、クランク、ペダルのいずれか1つでも交換する場合は左右のQファクターを実測しながらBBスペーサーで左右差を調整する必要があります。

ペダルを「new Wellgo マルチファンクション 片面SPDペダル」に交換。このペダルは見た目とは違って軽量タイプで、キャッチ&リリースも簡単にできるためお勧めです。リフレクターを着けることができるため、トンネル通過時や夜間走行時に役に立ちます。

「イトーサイクル ブロンプトン オリジナル 直付けフロントディレーラー用クランプ」を使ってフロント変速機「FD-5700-F」を装着。「ダイアコンペ Wシフトレバー」を「ディズナ レバーハンドル マウント」に装着。

フロントダブル化で下り用のギアと激坂用のギアを手に入れた代償ともいえますが、初号機の平地区間のギア比は「3.57」、前回の遠征までの「4.00」に比べて“軽すぎる”感じがしますが、22km/h前後で流して走るのがブロンプトンに合っているのかもしれません。このギア比なら多少の上りも立ちこぎで突破できるため、抵抗が少ない「2速」固定で走ることができます。

標準のコロコロでは、くつの踵の内側が当たるため「ブロンプトン・イージー・ホイール・リア・フレーム用」に交換。リアサスは「加茂屋 ジェニーサス ハードタイプ」に交換。M3Lの標準サスに比べると100rpm以上回してもお尻が跳ねることがなくなります。ダンシングで上った場合にも効果を感じます。

サドルは私には一番合う「アリアンテ」に交換。アリアンテにも数種類ありますが、これは「フィジーク アリアンテ ガンマ K:iumレール」です。(ロードバイクにも同じものを使用)

「キャットアイ サドル用ブラケット」を使って「キャットアイ セーフティテールライト TL-LD611-R」をアリアンテのサドルレールに装着。「リンプロジェクト 小径車便利袋」に「ギザ バイシクル キャリング バッグ」を収納。

自転車旅では荷物をたくさん運搬できるCバッグを使用。レインカバーも標準添付されているため雨中走行も無問題。Cバッグは飛行機の座席棚にも収納できる大きさです。

ハンドルは「Mハンドル → フラットバー → ライザーバー → ローハイトのMもどき」と換えていき、辿り着いたのが「Pハンドル」。ブロンプトンで旅するのならば「Pハンドル」は必須です。

ブロンプトンの旧ブレーキレバーはあまりにも頼りなかったため「DIA-COMPE SS6 ダイアコンペ ブレーキレバー」に交換。

「スペース・マウント グリップ」に「ガーミン エッジ 500」と「HL-EL540RC」を搭載。「HL-EL540RC」に“くまモン”のシールが貼ってありますがキャットアイのパクリではありません。「HL-EL540RC」を2個持っているため、昨年の夏ごろにメインに使う方に目印が欲しくてシールを貼っておいたのです。よって“くまモン”とのコラボは私が先にやっています。ブロンプトン初号機での夜間走行は基本的にやらないため、常にこの位置にライトを装着しているわけではありません。あくまでも念のためです。

まるでブロンプトン純正品かと思える「トピーク ホワイトライト オーラ」。トピークは間違いなくブロンプトンユーザをターゲットにこの商品を開発したハズ。ブロンプトンの標準添付品のリフレクターのステーを使って、このライトをここに装着します。

地方遠征の自転車旅なら雨でも走るため、ブレーキシューは「SWISS STOP FLASH PRO GHP2」を愛用というより必須です。

この写真ではフロントホイールには新リムのホイールが使われていますが、遠征の時は「BROMPTON Front Wheel Xtra Light(ブロンプトン軽量フロント・ホイール)」を使っています。軽量ホイールは、軽いだけではなく、剛性があるため、下りでフロントが暴れません。ノーマルのホイールではアンダーステアになるようなコーナーでも軽量ホイールならすんなり回ることができるため、ノーマルブロンプトンで感じる下りの怖さが無くなります。

ブロンプトンで25~30km/hで走ることは十分に可能ですが、転がり抵抗の多さ、速度維持の難しさを考慮すると、ブロンプトンの平坦区間のスピードレンジは22~24km/hだと思います。正直言って25km/h以上を維持して走り続けるのは非常にきついです。

弐号機は「ひたすら走り続ける」ために仕上げ、初号機は「のんびり旅を楽しむ」ために仕上げました。二台の使い分けはそんなところでしょうか。



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