Vol.4 RC名古屋「BRM518名古屋600 丘と海コース」

ブルベデビューイヤーですが「やると決めたことはキッチリやる」という性分なため、SRの認定を確実に取りに行きます。体力面については年間走行距離が18000kmにも達していれば「大丈夫だろうな」という自信は当初からあり、300km程度なら致命的なトラブルさえ無ければ無問題。ブロンプトンで過酷な遠征を続けているため、「連日走る」ことも無問題。天候についても遠征で豪雨、暴風、さらに台風の中を走った経験があるため無問題。心配だった「夜間走行」もライト類を工夫することで400をクリア。しかし、最大の問題点となる「雨の夜間走行」だけはどうしようもありません。

週間予報では二日間とも「雨」となって、これはマズイなという状態にありましたが、日に日に予報が変わっていき、「土曜日の夜から雨」、「日曜日の朝から雨」、そして「日曜日の午後から雨」となり、これなら大丈夫、普通に走れば完走できると確信。タイムテーブルを組みなおして、認定タイム「36時間」を目処にカメチームは走ります。


20130518名古屋600

名古屋600のコースはシンプルで分かりやすいです。まずは高山まで往復、豊田市に戻ったら名古屋200のコースを弁天島まで走り、そのあとは渥美半島の先端付近まで走り折り返して豊橋を経由して豊田市に戻ります。

豊田市から下呂までの区間は「ツール・ド・下呂アゲイン275」で走っているため迷うことはなく、下呂から先はドライブしたことがあるため雰囲気は分かっています。残り240kmも試走したため問題点はありません。


スタート時刻が「午前5時」であるため、午前3時起き。遠征の時でも4時起きですから、3時起きといのは記憶に無いくらい非常に特別なことです。3時50分頃に自宅を出て、まずは下見しておいた「三連水車公園」に立ち寄ります。シミュレーションしたところ、PC4でレシートを手に入れた後に「仮眠」を取ることがベストであると判断したため、PC4周辺に仮眠場所を用意しておくのです。

「ブルベは平均15km/hで設定されている」をそのまま受け取れば、600kmなら40時間となるため、40時間以内で600km走ればOKと思えますが、実は違うことを600のQシートを見て始めて気が付きました。ブルベ600でも300kmを20時間以内、150kmを10時間以内。。。各PCにはクローズドタイムが設定されているため、用意されたPCの数によりますが、極論をいえば「15km×40回」が600kmのブルベとなります。300kmを16時間で完走できるからといって、16時間走って6時間の仮眠、そして16時間走って38時間でゴールというわけにはいきません。16時間で走っても最長でも4時間しか仮眠が取れません。


ということで、PC4までの約360kmでどれだけ貯金を作ることができるのかで仮眠タイムが決まりますが、経験則で実走しなくてもPC4到着時刻が分かります。


準備万端で臨んだ名古屋600ですが、名古屋400の後の遠征で少しムリをした影響が残っているのにも関わらず、ジテツウトレーニングを続け、さらに名古屋600の試走までやってしまったため、脚の筋肉疲労がピークに来ています。「3時起き」をすんなりできた要因のひとつに、寝ている間に右足の太もも裏側と横側が攣りそうになったことがあげられます。慌てて目覚めて二度寝したものの熟睡できずに目覚まし時計が鳴る前に起床。「今日はちょっとマズイな」という雰囲気の中を走り始めると、スタート後のたった10kmほどで「あっ攣る!!」という状態。そこからも騙し騙し走るもスタート直後から出来上がっていた集団から離脱。ペースが上がったり下がったりしては迷惑を掛けますから、脚と相談しながら高山市を目指します。

PC1までの区間距離が約92kmあるため、中間地点付近のコンビニで軽く補給。タイムテーブルにも「中間地点で補給」を考慮済み。

(c)RandonneursClubNagoya

PC1手前で余裕の表情を見せていますが、実は脚攣りとの闘い状態。いつものように上り区間を90~100rpmで走ろうとすると右脚の太腿の裏側がピクピク。そして軽くピッシーとくるためムリすると完全に攣ってしまいます。そこでケイデンスを落として踏み込みを強くしていますが、太腿前側に疲労が蓄積していく。。。そして、いつもより立ち漕ぎを多用しているため、膝への負担も大きい。


9時9分、PC1に到着。今日は「独り旅」状態にあるため精神的な余裕がなくなりつつあります。この辺にサイクリングや遠征とは違ってブルベゆえの特異性みたいなものを感じます。気分を紛らわすため昼食をしっかり取る事にしてここでは軽めに補給。


このような快適な道を走ります。ここを自転車で走るのは3回目。


10時48分、下呂に到着。昨年はニローネでここまで走っているため、序盤の10kmほどのコースが違いますが、アルミのロードであるビアンキニローネの時の到着時刻は11時13分。パナモリの方が早く到着していますが、状況がいろいろと違うため単純な比較はできません。


食事処を探しながら走りますが、下呂のコース沿いにはそれっぽいものが見つからず徐々に「腹減った~」がピークに。。。下呂市と高山市の市境にある店の「飛騨中華そば」の看板に釣られて覗いてみると、店舗前が大掛かりな工事をやっている関係なのか営業している雰囲気がゼロ。いちおう営業しているのか確認してから入店。メニューは「中華そば」の1本勝負。おまけで餃子を選ぶかどうかのまさに穴場的な専門店。「中華そば(大盛り)」をいただきました。あっさりしていてどれだけでも腹に入りそう。店を切り盛りしているオバちゃん、あまりにも客が来なくて暇過ぎて店内から外を眺めているのか「今日は自転車がたくさん通るけど何かイベント?」と聞かれたためブルベのことを一通り説明。「中華そば」美味しかったです。


本日の唯一の峠である「宮峠」ですが、アウターギアで、苦労することなくすんなり突破。C50でも無問題。といっても追い風というアシスト付きですが。ただ、気になったのはブルベの参加者の皆さん、特にこの名古屋600の場合は、なぜか上り区間に入ると速度が遅くなります。あえてそうしているのか分かりませんが、「妙に遅い」という雰囲気がします。高山からの復路はもっと極端で、後ろから誰か追いついてきたかなとバックミラーで確認しても上りだと全く追いついてきません。逆に離れてしまう。ところが下り、さらに平坦になるといっきに抜かれて、どんどん離されます。いやはや、あの脚力があるのなら上りももう少し速く走れるはずなんだけど。

名古屋600のコースには急坂、激坂が殆どないため、いつもよりサドルを10mmほど後退させ平地用のポジションにしてあります。さらにSPDシューズはロード用のものを使用。(300と400ではマウンテン用を使用)

(c)RandonneursClubNagoya

写真を見るととても600kmも走るような装備には見えませんね。ちょっとその辺まで走ってくるという雰囲気。自作のトップチューブ吊り下げ式バッグにモバイルブースターを2個収納。輪行セット、カッパ上下、レスキューシートはサドルレールに縛り付けてあります。ディープリムホイールは見た目がとにかくカッコ良いと思います。荷物満載では不釣り合いになってしまいますが。。。


13時35分、PC2に到着。この少し手前で“めばるーず”御一行様と久しぶりに再会。がくさんも元気に走っているようで一安心。180km走って、タイム差が15分ほどしかないため、今回もウサギチームは休憩が多めみたいですね。相変わらず私は脚攣りとの戦いになっているため、負荷を高めることができません。この後もウサギチームを追いかけることはできませんが、とりあえずペースが遅いということはないようです。


16時9分、再び下呂。妙に疲れるためちょっと長めの“小休憩”。落ち着いたところでペース配分をチェックしてみると、なんと240kmを11時間20分のペースで走っていることになります。昼食タイムを入れた割には予定よりハイペースになっているため、独りで黙々と走ると抑えているつもりでも無理をしているようです。がくさんといっしょに走ると疲れないので、独りだとどこかでムリしているようですが、それがどこなのか分かりません。

ここからはアトラスとガーミンに給電させながら走る必要があるため、モバイルブースターのスイッチオン。。。あれ?アトラスに給電できない。モバイルブースターが壊れたか? 2個目に繋ぎなおしてスイッチオン。。。なんとアトラスが壊れた。給電できません。いやはや困ったものです。ただ、名古屋600は往復ルートであるため豊田市まではなんとか戻ることは可能。例のピット(仮眠場所)で、がくさんと合流できるので、その先はなんとかなり、念のために試走もしているため、致命的な迷子になることはないハズです。

※ユピテルのWebサイトから修理依頼書をダウンロードして必要事項を記入。ユピテルのサービスセンターへ宅配便で送り、1週間後に返却されました。修理内容は「基盤交換」となっていました。給電ケーブルを挿した状態で走行した場合は、コネクタ部分に負荷が掛かるため故障の原因になるかもしれません。


走るのが苦痛になってきたため途中で休憩を入れながら18時5分、PC3に到着。なんとここで、がくさんと再会。がくさんも高山からの戻りで独り旅になったようです。話によると往路もペースが合わないため独り旅を続け、休憩ポイントの度にウサギチームに捕獲されていた模様。しばらくのんびりして18時30分過ぎにリスタート。休憩多目でもまだ「グロス20km/h」ですから、いつもより疲労度が高いのも当然です。夜間走行に入るためペースを抑えて走りますが、シミュレーションよりも貯金が1時間15分ほどあります。


「余裕があったらしっかり食事を」でやっているため、大衆中華店でガッツリと食事タイム。これに「から揚げ」まで付いて米のお代わり自由で780円は激安ですね。ただし、腹がいっぱいになると睡眠不足と疲労の影響がいっきに出て。。。


コンビニでコーヒーブレイクした後に、しばしの緊急仮眠タイム。昼間の暑さのせいか、アスファルトに妙に暖かさが残っていて心地よい。油断すると爆睡モードに入ってしまうため、体の疲れが取れたところでリスタート。少し横になるだけで体力が大幅に回復するものです。既に320kmも走っているのに、ブルベ600の参加者さんたちと似たようなペースで豊田市に向っているようで上り区間の度に追い抜き、快調に走り続けます。


0時5分、PC4到着。「夕食+緊急仮眠」があった割には50分ほど早く着きました。これで3時間ほど休憩を取ることができるため、夜食+αを買い込んで仮眠場所へ移動。着替え、バッテリー交換、補給 etc 一通り済ませて睡眠タイム。そして3時起床。正味2時間ほどの睡眠タイムでしたが、熟睡できる環境を用意しておくことは大切です。


新城へ向ういつものルートを走ると「朝焼け」。朝焼けの時は雨になるので、やはり日曜日は雨確定のようです。ただ、すぐに降り出すことはないため、雨が降る前にどこまで進むことができるのかとなります。アップダウン区間を終えたらコーヒーブレイクにしようと決めて、目星をつけていたコンビニに近づくと見覚えがある集団がそのコンビニをスタートしていく。。。あれってもしかしたらと、心拍数が高まらない中をちょっと頑張って追いかけるも、2回連続で信号に引っかかってしまう。ムリかなと直線区間で踏みまくるとなんとか追いつき、ウサギチームに朝の挨拶。400kmも走ってきて再会するとは、ウサギとカメは総合的には同じペースということのようです。しばらくウサギチームのペースで走るも、負荷が微妙に高く、次のPCまでに疲れてしまいます。とりあえず「挨拶する」という目的を達したので次のコンビニで離脱。コーヒー+メロンパンで軽い朝食。


6時31分、PC5に到着。入れ違いでウサギチームが出発。


8時52分、PC6に到着。入れ違いでウサギチームが出発。200、300、400の時と同様に、笑えるほどこのパターンが続きます。カメチームはPC7までの途中でグルメを予定していたので、ウサギチームがどの辺を予定しているのか聞いてみるとPC7の後かなということで、改めてPC7で落ち合うことにして。。。


しばらく、弁天島でのんびりタイム。試走のときに「これはいける!」と確信したディープリムホイールを使用しています。もちろんスプロケットは12-25Tに換装してありますが、ロングライドでも名古屋600のようなコースならディープリムホイールの使うメリットは非常にあります。200、300、400で使ったホイールならばペースが大幅に落ちるどころか、疲労度がさらに高まっている可能性が高いハズ。中途半端といわれている「WH-7900-C50-CL」は決して“重いだけ”のホイールではありません。使い方が分かれば私でも十分にメリットを活かせる走らせ方ができます。ある程度はロングライドで使わなければメリットが分かりにくいかもしれません。「35km/h以上ならば」というのはメリットの一つにしかないのです。

弁天島から伊良湖岬までの区間は、先週とは違って追い風となります。つまり、雨が近づいているわけですが、途中で風向きが変わり「南風」。あれ? これって雨は降らないのかな。まだまだ青空。


11時54分、PC7に到着。ここでカメチームはウサギチームに吸収されます。


PC7まで辿りつけばゴールまで残り僅か。引き続き気を緩めずに走るのみですが、その前に、めばるさんが事前に調査していた食事処で「みかわポークのブタ玉丼」をいただきます。ところが、食事中に睡魔が襲ってきて、これは昼寝タイムを取らないとマズイかなという雰囲気。

食事を終えて外に出ると冷たい風が吹き始め何やら空模様が急変。食後は“まったり”ペースのハズですが、秀さんが超高回転走行で列車をひっぱり始め、ちょっと食べたものが出てきそうに。。。「ともかく加速だけはゆっくりでお願いします」と秀さんにお願いして、良い感じの“まったり”走行で豊橋へ向います。強い向い風の中、秀さんお疲れ様です。お陰さまで心拍数110~120bpmで楽させてもらいました。それにしても既に530km走った後なのに110~130rpmまで回して走る秀さん。。。後ろを走りながら目が点になりました。

三河港大橋からは、めばるさんが先頭に出て“めばる列車”となったわけですが、550km経過しているのに何故かペースアップ。お陰さまで睡魔と闘う必要は全くなく、予定していた「17時ゴール」に確実に間に合いそうな予感。しかし、雨だと豊橋周辺の交通量が増えるのか、先週の試走のときより遙かに多く、少しばかりタイムロス。14時30分になると雨が本降りになり、カッパを着なければムリという状態になったためコンビニに緊急ピットイン。ここで最後の補給をしてラストスパート。

残り20kmちょっとになると不思議なことに脚がクルクル回るようになり、体調だけ見ればまだ100kmくらいは余裕で走れそうな雰囲気。ゴールが近くなると精神的に楽になり、それが体調にも影響しているのかもしれませんが。


雨が降り続く中、17時前にゴール。

無事、ブルベ600も認定されました。

(c)秀さん

ブルベ200、300、400に引き続き、がくさんと一緒に走ったことが精神的な支えになりブルベデビューイヤーにも関わらず600も完走できました。がくさん、ありがとうございました。激速ウサギチームの“めばるーず”の皆さんとは各PCで再会する確率が非常に高く「皆も走っている」と思うと心強く感じました。再会した時にホッとする瞬間が嬉しかったりします。そして、RC名古屋のスタッフの皆様、楽しいブルベをありがとうございました。

ゴール後の集合写真

(c)RandonneursClubNagoya

本日の心拍数の推移

初日の夜間走行の心拍数の低さは当然ながら、二日目は普通に走ると110~120bpmになってしまいます。130bpmまで高めると負担を感じたため、疲労と睡眠不足では体感と実数の差は20bpmほどあるようです。

区間データ
区間 アベレージ ケイデンス 心拍数
START→PC1 24.7km/h 86rpm 133bpm
PC1→PC2 24.3km/h 82rpm 141bpm
PC2→PC3 24.4km/h 82rpm 132bpm
PC3→PC4 23.6km/h 82rpm 120bpm
PC4→PC6 22.7km/h 79rpm 119bpm
PC6→PC7 24.4km/h 78rpm 112bpm
PC7→ゴール 23.7km/h 86rpm 118bpm

ラストスパート前の集合写真。
集合写真
カメチームとウサギチームがブルベ200、300、400、600全て同じようなPC通過タイムおよびゴールタイムだった理由は。。。

42kmの所要時間が2時間でタイムロスを5分と仮定して、カメチームの休憩時間が10分、ウサギチームの休憩時間が20分、この場合のアベレージは「24.0km/h」と「26.5km/h」となります。これが両チームのタイムマネージメントが殆ど同じになっていた理由です。

本日の走行データ
距離: 605.9km+6.7km
高度上昇値: 4,238m
平均スピード: 23.9km/h
平均心拍: 125bpm
平均バイクケイデンス: 81rpm

出費額 6265円(コンビニ3555円、自販機380円、昼食750円、夕食780円、昼食800円)



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