BRM412中部300km

「ブロンプトンでSRを狙う」と決めたからには戦略、戦術とも重要になってきます。戦略に関しては参加するブルベをどこにするのか、機材はどうすべきかとなります。機材についてはロングライド仕様に仕上げたブロンプトン弐号機を投入しますが、「参加するブルベ」の選定については、ブロンプトンの最大の弱点「上り」をいかに回避するかとなります。要するに獲得標高が少ないコースを選ぶことになります。

「600」を調べてみると、どう考えてもブロンプトンで完走可能なコースは「名古屋600」だけです。あくまでも可能性だけの話で完走できる確信はありませんが、可能性がゼロかどうかは過去の経験値で分かります。頑張っても無理なものは無理です。その辺りは戦術の話になってきます。

「名古屋600」はエントリーの段階で、その年の「300」の認定が必要となっています。昨年「SR」を取っていてもそれはカウントされません。ということで「300」の認定を取るために「200」ではなく、いきなり300kmのブルベに参加することになりました。つまり失敗は許されません。

ブルベはタイムマネージメントが重要ですので、昨年と同じようにタイムテーブルを作りました。

計算式は遠征およびロングライドのデータから作ってあります。この通りに走ればトラブルが無ければゴールできます。

中部300ブルベのスタート時刻が9時、ゴール予定時刻が3時ごろになるため、ゴール後にどこかで時間をつぶせば、始発電車で帰宅することが可能です。そこで今回は輪行で現地入りすることにしました。

名鉄の新安城駅から江南駅まで移動、7時50分ごろに集合場所の「すいとぴあ江南」に到着。トイレを済ませて受付の場所に移動すると、8時スタート組の大勢の参加者がスタート時刻になるのを待っています。そこへ「ブロンプトン」でのこのことやってきたわけですから、なんとも場違いの雰囲気全開です。

どんな格好なのかは、オダックスランドヌール中部さんのページにアップされていますが、「これでブルベ?」という雰囲気ですね。

ハンドルが奥に倒れすぎていますが、走行中にどんどん奥に倒れてしまったのです。ハンドルを固定させるスペーサーを一枚抜いて、代わりに「スペース・マウント」を嵌めましたが、どうやら厚みが違うためキッチリ固定できないようです。峠区間の突入するPC3でハンドルを手前に起こしました。

愛知県内の参加者は9時スタートということもあって、8時を過ぎたころからボチボチ集まってきます。写真は、りょうさん、めばるさんとりっくさんの剛脚軍団の御一行様。この後、80kmほど自走で現地入りしたハンガーノックンさんが登場。

スタート時間の9時になっても、めばるーず御一行様はスタートせずに、定位置の最後尾でスタート。。。なぜならば、最後尾からガンガン抜きまくるのが基本方針のようで、その列車についていこうとしたら、いきなり心拍数が160オーバー。ブロンプトンで30km/h超の巡航は非常に厳しい。数分後、めばるーずを見送って無理せずに行くことに。この後、二度と会うことはありませんでした。

PC1までの区間が複雑すぎてイマイチ良くわからないので、クロスバイクの人が牽く列車に便乗。最後尾グループとはいえ先頭以外はロードバイク集団ですので、やはり速度はそれなりに速いため、心拍数が145bpm前後になってしまいます。

この橋のところでは信号3回分も待たされ、結構なタイムロス。

最後尾グループでもブロンプトンではペースが速すぎるため、多度大社で列車から離脱。この時点で予定より20分も貯金ができています。トイレ休憩、カロリーメイト補給、しばらく体を休めリスタート。

PC1。予定より16分早い11時53分。この時点で既に脚の疲労を感じています。やはり序盤に無理をしたようです。ブロンプトンでロードに混ざって走るのは無理ということです。

スタート~多度大社 平均アベレージ25.3km/h、平均心拍数141bpm
多度大社~PC1 平均アベレージ19.5km/h、平均心拍数142bpm

PC1での休憩は短めに済ませて先を急ぎます。

沿道の桜は散り始めていますが、先に進むにつれて良い感じの桜が残っていました。

PC2。予定より32分早い13時54分。十分な貯金を作ることができたため、ここでは長めの休憩。エネルギー源の炭水化物をガッツリ補給します。基本的に走行中は必要な栄養素を取ることにしています。

PC1~PC2 平均アベレージ21.3km/h、平均心拍数142bpm

いよいよ本格的な山間地に突入します。

「桜を眺めながらのんびり」という感じですが、すでに疲れています。

パンクの恐れがある国道のダート区間はひたすら押し歩き。そのことによるタイムロスは5分ほどですが、ブロンプトンの場合は万が一にもパンクすると30分もタイムロスします。

気持ちよく田舎道を走りますが、遠征の時のように独り旅状態。ロードの人たちとは平坦も上りも速度が合わないため仕方がありません。

15時56分、通過チェックポイントに到着。ここで早々と切り札を投入。心身ともに疲れているときは、アイスクリームがお勧めです。

PC2~通過チェック 平均アベレージ17.9km/h、平均心拍数143bpm

PC3。予定より30分早い17時29分。いつもなら菓子パンを食べるところですが、本当に疲れているときに砂糖が多すぎる菓子パンを食べると気持ち悪くなるので、卵入りのサンドイッチを選択。

通過チェック~PC3 平均アベレージ22.9km/h、平均心拍数138bpm

ここからはライトオンで走ります。中華ライト2本体制で闇夜の峠道も一安心。2本体制なら「弱」でも十分に明るいです。

思ったより長く感じた青山峠。暗闇の中での上りは精神的に疲れます。下ったところにコンビニがあったため、水分補給。そして寒さを感じるようになったためウインドブレーカーを着用。

PC4。予定より35分早い20時45分。峠区間でさらに貯金を増やすことができたようです。私は、アップダウンの連続よりも、ひたすら上り続ける方が好きです。峠区間が終わった後の広域農道のアップダウンで思いのほかダメージを受けたため、PC4では長めの休憩タイム。

PC3~PC4 平均アベレージ19.6km/h、平均心拍数133bpm

しかし、ロードバイクとは違ってブロンプトンの場合は「走りながら回復」ができません。筋力ダウンが酷過ぎるため、平坦区間での心拍数が115bpm前後、上り区間でも130bpmに達するかどうか。筋力が足りないため負荷を掛けることができない状態でゴール目指して走るのみ。

「ブルベは過酷です」を初めて体験。

昨年はロードバイクでSRをサクッと取れてしまいましたが、機材を変えることで難易度を高めると「過酷さ」はあっという間に高まります。マウンテンバイクや重そうなクロスバイクで参加している人は、自ら難易度を高めているんだなとようやく理解した次第です。ロードバイクでファストランを目指すか、ハンデがある機材で制限時間内で完走を目指すか、それとも観光やグルメを盛り込んで純粋にサイクリングとして楽しむか、人それぞれブルベというものを楽しんでいるようです。

PC5。ヘトヘトになりながらも予定より28分早い23時37分。「これだけの貯金があれば余裕で18時間切りができる」とこの時は思ったのですが。。。

PC4~PC5 平均アベレージ19.2km/h、平均心拍数125bpm

PC5をリスタートすると、お尻の痛みが限界に来ていて、シッティングで回せません。よくある坐骨の痛みではなく、ヒリヒリと痛むためサドルに座るのも苦痛。ここからはひたすら立ちこぎでゴールを目指すことになるのです。

深夜の木曽三川公園。中部300のコースも良く考えられていて、非常に走りやすいです。夜中でも安全に走ることができるコース設定であることは、実際に走ってみて初めて分かることです。ただ、延々と独り旅だと頭が変になってきそうです。。。

最後の市街地区間も深夜過ぎになると交通量が激減して、市街地とは思えないほど快適に進みますが、正確さを求めてブロンプトンに速度センサーを付けたのが裏目に出て、エッジ500が示す走行距離がイマイチあてになりません。最後の30分間は「ゴールはまだか、ゴールはまだか!」そればかり。ルートラボで調べた距離に比べて4.5kmほど多めになっていたようです。

疲労困憊で3時前にゴール。なんとか18時間切りを達成しました。ロードバイクなら15時間程度で完走できるコースですが、ブロンプトンでは18時間でもいっぱいいっぱいです。ロードバイクで600km走った時より非常に疲れました。

PC5~ゴール 平均アベレージ20.3km/h、平均心拍数118bpm

オダックスランドヌール中部の皆様、楽しいコース設定および運営、ありがとうございました。

コース図

走行距離 : 305.3km + 8.8km(駅⇔すいとぴあ江南) ※ルートラボ
獲得標高 : 2,520m
平均アベレージ : 20.6km/h

心拍数の推移

終盤の心拍数の低さが目立つますが、序盤に心拍数を高めすぎました。ブロンプトンの場合は140を超えてしまうと脚にダメージが残ります。

今回、18時間に拘った理由は「600km」をターゲットにしているためです。300kmを18時間で走ることができれば、3時間の仮眠を含め 18+3+18=39 で1時間残して600kmの完走も可能だからです。しかし、ロードバイクのように「走りながら回復」がブロンプトンではできないこと、少し休憩しても筋力が回復しないことが今回の300kmで分かったため、単純に300km×2というわけにはいきません。何かプラスαが必要になります。

難しいゲームをどのようにしたらクリアさせることができるのか、それを考えることも楽しいものです。私にとってブルベは、SR取得ゲームですから。



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