やっぱりギア比でしょ

過去の走行データから算出してみた私の出力は、ざっくりですが下記のようになっています。

山間地のロングサイクリングの出力 約150W
気合を入れて30分程度持ちこたえられる出力 約185W
もがいて1分程度なら耐えられる出力 約220W

激坂ヒルクライムを含む山間地コースを常に150W前後で走ることができれば、途中で力尽きることが無いのかもしれません。

4月からは山間地ロングで心拍数を抑えて走ることに徹していますが、“心拍数”だけでは十分ではなく、他にも重要な何かがあるような気がするのです。“補給品”もその中のひとつかもしれませんが、もっと根本的な何かがあります。

そこで、推測と検証をするために作ったのが「平均出力からターゲット勾配に対する速度とケイデンスを求める」で、出力と勾配とケイデンスの関係を数値で眺めているとぼんやりと何かが浮かんできます。

「重量 75」「所要タイム 87」「フロント 34」「リア 28」で計算してみると平均出力は149.7(w)になります。ロードを使った時のケイデンスは勾配7%で61.5rpm、勾配8%で54.9rpmとなっています。シッティングのまま楽に回せる下限が60rpmだとしたら勾配7%を超えた時点でトルク走行に切り替わっていることになります。ふらつかずに回せる下限が40rpmだとしたら勾配12%が限度となります。あくまでも出力を高めずに回せた場合で、実走では勾配に合わせて出力を高める必要があります。

それでは平均出力を184.5(w)まで高めてみると、勾配9%で60.5rpm、勾配14%で40.8rpmとなり、勾配10%を超えると楽に回せる範囲ではなくなり、トルク走行の領域になってきます。

つまり、勾配10%前後の坂を頻繁に上るコースをロード(「フロント 34T」「リア 28T」)で走れば、体力および筋力の消耗が激しいのも当然となります。実際のところ、50rpmを切るような状況になるとダンシングに切り替えるため、体力がさらに削られます。

サイクリングの時の出力が約150W、気合を入れて約185Wのサイクリストが走るには、かなり無茶なコース設定をしていたという結論になってしまうのですが、自転車の場合は「道具に頼れば良い」という考え方もあります。非力な軽トラックが超激坂をスイスイと上っていける理由と同じで、「要は坂を上れるのかどうかは重量とギア比でしょ」となります。

GIOSアンティーコを超激坂仕様にしたのも、超低ギア比にしなくても済むからで、「ミニベロは激坂に有利」は“漕ぎ出しが軽い”は確かにありますが、“ひと漕ぎで進む距離を少なくできる”というメリットは大きいです。もしロードを超激坂仕様にするとロングライドに使えない自転車になってしまいますね。

では、ロードでも勾配10%程度までなら楽に上りたい、もちろんロングライドにも使うとなれば、ロード用のトリプルでインナー30Tに頼ることになります。

「フロント 30T」にして再計算してみると、出力が約185Wなら勾配10%を62.7rpm、出力が約150Wなら勾配8%を62.2rpmで上ることができます。これなら“よくある峠越え”が少しだけ楽になりそうですね。

長くなりましたが、「走りたいコースに対してエンジンの出力が低いので、激疲れになるのは当然。そのコースを走りたいのならもっと軽いギア比にするしかない」という結論になりそうです。

さてさて、次回はGIOSアンティーコで累積獲得標高差3200mに挑戦してみますが、「やっぱりギア比でしょ」となればいいのですが…。



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