遠征とブルベの所要時間をシミュレーション

ブロンプトンの遠征の場合、ある程度は所要時間を把握しておく必要があります。それは「夜間走行をしない」という自分ルールがあり、暗くなる前に宿に入るということでもあります。復路で飛行機を利用する場合は空港到着時間が非常に重要になってくるため、予想が大きく外れることは許されません。輪行の場合も「乗る予定の列車」の候補をドンピシャ、ちょっと早い、ちょっと遅いの3本の候補を挙げておきますが、運行本数が少ない路線を使う場合は、それこそ飛行機の場合と同じように“乗り逃す”は許されません。

ということで過去の遠征の実績から「大きく外れることがない」計算式を導きだし、それをベースに予定を組んでいます。

所要時間のシミュレーションの計算式
(走行距離+(高度上昇値*2-高度下降値)*20/1000)/20+(立ち寄りポイント数*15+昼食時間)/60

1か所あたりの観光時間は15分、昼食時間は30分で計算。プチ観光とコンビニ休憩はタイムロスに含む。

では、先日の紀伊半島遠征に当てはめてみます。

初日: 和歌山駅をスタート → 和歌山市内観光 → 高野山
走行距離: 86.5km
高度上昇値: 1,433m
高度下降値: 669m
平均速度: 17.1km/h
立ち寄りポイント: 8箇所
所要時間: 8時間
シミュレーション: 8時間31分

単純に走行距離だけで判断してしまうと所要時間は6時間程度になってしまいますが、立ち寄りポイントが多目であり、高野山に向かう上り区間が長い急坂が続くことを考慮する必要があります。シミュレーションより30分ほど早くゴールできた要因としては終盤の上り区間で負荷を掛けて走ったためと思われます。

二日目: 高野山 → 峠越え → 十津川 → 熊野本宮大社 → 新宮
走行距離: 125.4km
平均速度: 20.8km/h
高度上昇値: 1,030m
高度下降値: 1,845 m
立ち寄りポイント: 4箇所+昼食
所要時間: 9時間
シミュレーション: 7時間59分

全般的に下り基調の区間ならば走行ペースが高まるハズですが、最初の立ち寄りポイントで時間を費やしたこと、序盤の峠越えで思いのほか時間を要したこと、川沿いの道路は向かい風であったこと、ブロンプトンで“ひたすら走り続ける”ことによる疲労の蓄積などが要因でシミュレーションより60分も遅くゴール。なお、下り基調だからといってブロンプトンの場合は速度が伸びることはありません。特に急坂の下りの場合は、常にブレーキを掛けた状態になるため、そこでタイムを稼ぐことは不可能です。

三日目: 新宮 → 熊野那智大社 → 潮岬 → 新宮
走行距離: 141.7km
平均速度: 20.8km/h
高度上昇値: 1,303m
高度下降値: 1,301 m
立ち寄りポイント: 4箇所+昼食
所要時間: 10時間
シミュレーション: 9時間53分

「新宮~潮岬」の往復コースであるため、風の影響はプラマイゼロとなります。急坂区間も那智大社と潮岬に一部の区間のみであったため、途中でパンクした割にはシミュレーション通りの結果になっています。

四日目: 新宮 → 伊勢神宮 → 伊勢市駅ゴール
走行距離: 163.5km
平均速度: 21.1km/h
高度上昇値: 1,549m
高度下降値: 1,566m
立ち寄りポイント: 3箇所
所要時間: 10時間40分
シミュレーション: 10時間29分

鬼ヶ城から伊勢神宮までの区間には立ち寄りポイントが一つもないという過去最長の“ひたすら走り続ける”ことになり、スタートから伊勢神宮までの区間を9時間15分程度で走り切り、残された時間を伊勢神宮の参拝に割り当てました。

ブロンプトンの遠征の所要時間を求める計算式
(走行距離+(高度上昇値*2-高度下降値)*20/1000)/20+(立ち寄りポイント数*15+昼食時間)/60

ブロンプトンの遠征では、上記の計算式で見込みが大きく外れることはありませんが、補正ポイントとしては「峠越え」「向かい風」「観光時間」でしょうか。

「(走行距離+(高度上昇値*2-高度下降値)*a/1000)/b」の「a」は坂耐性の係数です。上りに強い人は上りでのタイムロスが少ないため、この数値を少な目に設定、逆に弱い人は大目に設定します。「b」は使用する自転車で変わります。私の場合は、ブロンプトンなら「20」、ロードなら「24」で設定しています。どちらもLSD領域で走る場合の設定値ですので、仮にロードで真剣に走るのなら「27」にしています。

時間との闘いになるブルベの場合もシミュレーションをしておく必要があり、先日の岩村200ではシミュレーションから導きだした各PCの「予想通過タイム」を目安に走りました。

シミュレーション
8時30分スタート、10時40分PC1、12時50分PC2、15時45分PC3、18時42分PC4、20時34分ゴール。

結果
8時30分スタート、10時26分PC1、12時24分PC2、15時10分PC3、18時24分PC4、20時10分頃にゴール。

序盤では大集団による渋滞を回避するために負荷が高めだったこと、PC1の休憩時間が短かったことでPC2までに25分の貯金ができ、結果的に最後までその貯金を残すことができています。つまり予定通りの負荷と休憩ならばシミュレーション通りの結果になっていたと思われます。

ブルベの所要時間を求める計算式
(走行距離+(高度上昇値*2-高度下降値)*20/1000)/24+(休憩回数*10)/60

上記の計算式から名古屋300をシミュレーションして、これをハンドルに貼って走ります。
brm323
認定タイム「16時間20分」。



関連エントリー