2020年6月21日

超広角レンズを比較「Voigtlander vs SAMYANG」

偶然にも同じ画角になる「Voigtlander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III VM」と「SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS」ですが、価格差は結構あって、購入価格は前者が中古で64090円、後者が新古品で32289円でした。

ならば、その価格差は写りの差に出るのか気になるところです。もともと星空撮影のために購入した「SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS」ですが、「Voigtlander 12mm F5.6」と写りにそれほど違いが無ければお買い得なレンズといえます。

6月17日

撮影機材
・FUJIFILM X-T20
・Voigtlander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III VM
・SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS BK

JPEG撮って出し。


撮影場所はいつもの鞍ヶ池です。

まずは「FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」「FUJINON XF35mmF2 R WR」を使った時に妙に甘い写りをした「X-T20」の実力テストのために、「Voigtlander NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM」で撮ってみます。


絞りはf/2.0です。
APS-C機でも白飛びしやすいようで、この辺はマイクロフォーサーズ機とあまり変わりません。


ピクセル等倍切り出し。さすがに「α7III」には負けますが、「X-T20」でも十分な写りをしています。


絞りはf/2.0です。
いつものワラビーですが、今日は木箱にうずくまってなかなか顔を出してくれないため、かなり粘って顔を少しあげた習慣にカッシャ。


ピクセル等倍切り出し。この1枚のみ露出調整のためRAW現像です。ビシッシャキッとまではいきませんが、「X-T20だから」というマイナス面はある程度は解消されました。

ここからは「Voigtlander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III VM」と「SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS BK」で撮り比べです。どちらもMF、電子接点無し、換算18mm相当ですので、どちらで撮った写真なのか分からなくなるという致命的な問題があります。

とりあえず、先攻「Voigtlander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical III VM」、後攻「SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS BK」でいきます。


「Voigtlander 12mm F5.6」を「X-T20」で使うには非常に厳しいです。ピントの山がさっぱり分かりません。紫陽花を撮った時のように近接撮影ならなんとかなりますが、2m以上離れた被写体だとさっぱり分かりません。結果的にここでは白い馬にピントがきていません。


「SAMYANG 12mm F2.0」なら、絞りf/2.0でピントを合わせてから絞りf/5.6にして撮ることができます。白い馬にピントがきています。


「Voigtlander 12mm F5.6」遠景ならピントを無限遠にすれば良いので不具合が無い限り大丈夫のはずです。


ピクセル等倍切り出し。超広角レンズならこんなものかなという写りです。


「SAMYANG 12mm F2.0」絞りf/2.0なら遠景でもピーキングが使えます。念のためf/2.0で合わせてからf/5.6でカシャ。


ピクセル等倍切り出し。芝生を見る限り「SAMYANG 12mm F2.0」の方が解像しているような。

X-T20でMFレンズを使うと露出がばらつきます。事前にどのくらい補正しておけば良いのか確かめておく必要があるため少しばかりテスト。


絞りf/2.0。露出補正+0.7。レンズ補正がされないため、レンズ中央と周辺で明るさが違います。


絞りf/4.0。露出補正+0.7。このレンズで遠景を撮るなら絞りはf/4.0で露出補正は+0.7が良いかもしれません。


絞りf/8.0。露出補正+0.7だと妙に暗くなるため+1.3にしたところ中央部分が露出オーバーです。


「Voigtlander 12mm F5.6」絞りf/5.6、露出補正+1.3。


ピクセル等倍切り出し。明暗差がありすぎてよく分かりません。


「SAMYANG 12mm F2.0」絞りf/2.0、露出補正+1.3。


ピクセル等倍切り出し。こちらはハッキリクッキリ写っています。


「Voigtlander 12mm F5.6」絞りf/5.6、露出補正+0.7。


ピクセル等倍切り出し。


「SAMYANG 12mm F2.0」絞りf/2.0、露出補正+0.7。


ピクセル等倍切り出し。

被写体に光が十分に当たっている場合は両者に違いはなく、絞り値を同じにしてしまえばどちらで撮ったのが分からなくなりそうです。


「SAMYANG 12mm F2.0」絞りf/2.0、露出補正+0.7。もう「SAMYANG 12mm F2.0」で十分と決め打ちして、ここは「Voigtlander 12mm F5.6」で撮っていません。ゆえに「Voigtlander 12mm F5.6」だと中央部分がここまで白飛びするのか不明です。


「SAMYANG 12mm F2.0」絞りf/2.0、露出補正+0.7。「X-T20」でMFレンズを使うと露出がばらつくため「JPEG撮って出し」は厳しそうです。

ピントを合わせることができるなら「Voigtlander 12mm F5.6」が良いような気がしますが、2mから10mあたりまでは合わせるのが難しいため、悩ましいところです。