2003年1月13日

写メール

昨日、妻が数年間使っていた携帯電話を替えた。ほぼ着信専用で使っていたらしいが、あまり使わなくてもバッテリーの寿命は来るものでそろそろ限界だったらしい。今時の機種はどれも「カメラ付き」であるわけで(Jフォン)、カメラ機能を必要としなくても“もれなく”付いてきてしまう。

せっかく使えるのだからということで、試しに愛犬COCOを撮影してみた。若者があちこちでパシャパシャ撮っている風景を見かけるとあんなもの何が面白いんだろうと思っていたが、自分でやってみて初めてその面白さに気が付く。

たしかに面白いんだが、これってなんていうか言葉に表すのが難しいのですが、いわゆる「カメラ」ではありません。物理的なものではなく感覚的なものなんですが、なんかあたらしいアイテムみたいな気がする。つまり写真を撮るための「カメラ」を携帯電話に組み込んだという発想をしてはいけないような雰囲気がするのです。

電話とは本来は「音声」を伝達するものである。パソコンはテキストから始まり、静止画、動画、音声を伝達できる。 個人間のやりとりではテキストを伝達する場合が多いだろう。パソコンは「いつでも」「どこでも」「身軽に」「素早く」という要求に答えてくれるような代物ではない。言葉を文章にして相手に伝えるため、携帯電話にメール機能を組み込んだ。携帯電話をメール端末として使っている人は非常に多い。相手に何かを伝えるという行為の中には、言葉や文章では難しいものがある。目の前で起きていることを的確に表現できない場合、それを画像で伝達できればと思うであろう。

自分が今見ているものを相手に伝える方法として携帯電話のカメラ機能は非常に便利だ。しかし、使い方は人それぞれいろいろあるわけで「メモ撮り」や「プリクラ代わり」、はたまた動画機能を使った「テレビ電話もどき」。

相手に何かを伝える装置として携帯電話が進化してきたわけだが、供給側が考えること以上の使い方を消費者側がすることでさらに携帯電話の進化が求められる。

パソコンもデジカメも持っていないけど、携帯電話でメールも撮影もするという人は多いだろう。撮影したものを伝達するだけではつまらないと考えるのも自然の成り行き。サーバに個人スペースを用意して「電子アルバム」のサービスを開始したようだが、あくまでも携帯電話で閲覧するのが目的。(パソコンでも閲覧可能だが、画像が小さいので見てもつまらない)

撮影した画像は非常に小さいので、その小さいというデメリットを逆手にとってプリクラプリントのサービスも開始したようだ。となれば次なる欲求は「L版サイズのプリント」であろう。

ここまでの話の流れからすれば、携帯電話にデジカメの能力を求められるのも時間の問題であることは明確である。携帯電話に「カメラ機能」を付加するのではなく、携帯電話とデジカメの融合である。

EXILIMを作ったCASIOならば「携帯デジカメ電話」を作ることもできるのでは?

「携帯デジカメ電話」で撮影したらコンビニに設置してあるプリンタに接続して「L版サイズ」でプリントする。それと同時に専用サーバへアップロードされ電子アルバムが作成される。後日「焼き増し」が必要ならば「携帯デジカメ電話」でサーバに接続してプリンタへダウンロードさせプリント。遠方の知り合いに渡したいときは、「電子アルバムのアドレス」と「写真ナンバー」と「ダウンロードを許可させる暗号キー」をメールで知らせ、相手にもコンビニのプリンタでプリントしてもらう。「L版サイズ」のプリントに相応しい画像データは非常に大きいものになってしまう。そこで通信速度や通信費の問題を解決するためには「携帯デジカメ電話」とサーバでデータの受け渡しをするのではなく、プリンタとサーバでやるべきであろう。「携帯デジカメ電話」とプリンタを通信ケーブルで繋ぎ、プリンタとサーバはプロードバンドで繋がれている状態がベストである。「電子アルバム」を閲覧する場合は、インデックス用の小さい画像データを使えば良い。

このような「携帯デジカメ電話」が登場するのも時間の問題ではと私は思う。