会社のWebサイトで絶対敵わない相手は

仕事柄、同業界のメーカーサイトや販売店のWebサイトを頻繁にチェックしています。もちろん某キーワードの順位チェックなんかもしていますが、やはり重要なのは中身です。直接のライバル関係にあるメーカー数社のサイトはどれも「こんなものかなぁ」程度で、当たり障り無く面白みに掛けます。入れ物については自信を持って「うちが一番」と言えるのですが、哀しいかな中身が伴いません。中身についてはメーカーA社のサイトが一歩も二歩も前に進んでいたのですが、出だしが好調だった割には後が続いていません。そしてリニューアル時に後退する始末。たぶんA社はWeb担当者が変わったのかもしれません。

販売店サイトは店舗紹介程度のものが多く、“特売情報”とか“メーカーサイトからの情報を流用”といったものが大多数です。大手の場合は、販売店サイトというよりは企業サイトとしての役割を持たせているケースが多いようです。

興味深いところは中小の販売店です。これは経営者or店長クラスが自らWebサイトを構築・運営している場合が多く、個性豊かです。しかし、個性がサイトの個性ではなく人柄となると、これが良いのか悪いのか良く分かりません。販売店ですからWebサイトも何らかの形で売り上げに貢献させなくては…

で、冷静になぜ会社のサイトって面白くないんだろうと思うわけです。やっていて自分で常に思います。これは随分前から薄々感じていましたが、“対象”となるものに興味が無いからです。個人の趣味のサイトならあれこれアイデアが出て直ぐに実行、そして次はこれといった具合に月単位(場合によっては週単位)で変わっていくというのに…

そんな中、以前から興味深くチェックしていた某販売店Bのサイトに新しいコンテンツが追加されていました。毎度の如くページ作りそのものはお世辞には丁寧とは言えませんが、中身がとても良く、ついつい時間を忘れてページを読み進めてしまう。

なぜこのサイトだけ特別なんだろうと不思議に思っていましたが、ようやく分かりました。

作っている人が趣味モード。

例えば「デジカメ」が好きな人があれこれ調べて実践してそれをレポートしているサイトがあるとすると、本当に好きな人がやっているサイトの場合は自然とそれが伝わってきます。その場合は見た目がどうこうは関係ありません。素直に「このサイトは面白いな」と感じるものです。

某販売店Bのサイトは見た目は「うわっなんだこれ」と思えますが、そこを我慢すれば「このサイトは面白いな」と次々とページを見てしまいます。

対象物が好きで、そのことに詳しく、常にもっと知りたいと思い、自分で調べ、自分で実践し、知っていることを他人に伝えることができる

という人が某販売店Bのサイトを運用していることが伝わってきます。

「そういう人がやっているサイトには絶対敵わない」と単なる会社員の私は白旗を揚げます。



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