意外に面白い「MFゴースト」


「MFゴースト」は「頭文字D」の十数年後を描いた公道レース漫画です。主人公は藤原拓海の弟子「片桐夏向(カナタ・リヴィントン)」。頭文字Dは非合法の公道レースですが、MFゴーストは公道をクローズドさせた合法レースで、そのレースを主催しているのが元プロジェクトDの面々です。Dの主人公だった藤原拓海は出てこず、プロジェクトDの時代の人物たちの語りで藤原拓海のその後が少しだけ分かります。

Dの高橋涼介が研究していた「公道最速理論」を実証するための公道レースという設定になっていますが、さて「公道最速理論」の明確な解は頭文字Dで描かれていたのでしょうか。断片的な理論みたいなものはちょいちょい語られていましたが、「藤原拓海がその答えだ」ではなんのこっちゃです。

そもそも頭文字Dの終盤は作者のやる気の無さがひしひしと伝わってきて「さっさと終わらせれば良いのに」と思ったものです。あそこまで引き延ばしたのは大人の事情だったのか分かりませんが、ラストバトルの決着の付け方も「えーこれで良いの?」というやけくそ感全開です。

そんなこんなでやっと終わってくれた「頭文字D」だったので「MFゴースト」には興味が無かったのですが、ポチッポチッゲームで送料無料にするために“ついで買い”で1巻だけ購入。

投げやりだった「頭文字D」に比べて、意外にも先が気になる展開で「もう買うしかないでしょ」となります。人物描写は相変わらずですので、そこは気にしてはダメです。

主人公が駆るのは「TOYOTA86」です。今のところエンジンはいじっていない設定ですので、頭文字DのAE86トレノのように非力なマシンでハイパワーマシン相手に戦うという展開です。ただ、頭文字Dのような必殺技はなく「ドライバーの能力次第でここまでいける」という多少なりとも現実味があります。

作者の趣味で「ただ単にTOYOTA86が活躍する作品を描きたかった」という漫画であるような気がしますが、とりあえず今のところは面白いです。



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