最近、A君が上司(監督者B)から「残業が少ない」と言われたそうだ。私とA君がほぼ毎日定時で帰ってしまうので、若い人たちも以前に比べて早く帰るようになったらしい。
「残業が少ない」非常に良いことである。仕事を効率よく進めるためには3ム(ムリ、ムダ、ムラ)を無くす工夫が必要である。そして絶対的なスピードも高める必要がある。テキパキと仕事をこなし定時で帰る。無駄な残業を減らして労務費削減に貢献。
そもそも残業とは、どうしてもその日にやらなければいけない仕事を上司が部下に指示を出して、その指示に従って働く時間外労働のことである。部下が上司の許可無く勝手に残業などをしてはいけない。上司は部下に残業を命じる場合、その理由と目的を明確にすべき。部下が自ら残業の必要性を感じたら、上司にその理由を報告して許可を得るべき。
当たり前のことが当たり前ではない企業は日本中にたくさんあります。
以前、私はエライ人に「世間一般の常識では○○です」と食い下がったことがあり、その時のエライ人の返事は「世間の常識とここの常識は違う」って開き直られたことがある。こんなエライ人なんか、馬に頭をけられて思考回路を直してもらえと思ったものだ。
世間の常識が通用しないエライ人の影響をモロに受けている監督者Bも「監督者としての考え方」が不足しているようで、彼に対して私は「それでも監督者かよ」と怒れてくることがある。
冒頭の「残業が少ない」もしかり。彼の思考では「残業が多い=仕事を頑張っている」という図式がなりたっているのである。いや彼だけではない。会社のいたるところにいる管理監督者も同様である。
短期集中でチャッチャッと仕事を片付け定時に帰宅する者、だらだらと時間ばかり掛けて妙に残業が多い者、どちらが会社に貢献しているのか、そんなもの誰が見ても明白である。自分勝手に残業をしている部下の仕事内容などチェックすることなく、「労働時間が長い」ただそれだけのことで「あいつは頑張っている」と評価する管理監督者たち。
スタッフ部門でよく見られる風景として「上司が退社するまで部下は居残り(ただ要るだけ)」があるだろう。「上司より早く帰るやつは、仕事をしていないやつだ。」そのように評価されるのであろう。ダラダラと遅くまで会社にいる人、理由など特に無くても会社に長時間要るだけでも評価される。そんなの何か間違っていないか。
夏の賞与査定を正当な理由も無くマイナス査定されたA君であるが、もしかしたら「残業が少ない」が原因なのかもしれない。かくゆう私も定時で帰るようになってからプラス査定されたことがない。「通常ならプラスだが、定時で帰るからその分をマイナス。よってトントン。」というわけだろうか。
結局のところ仕事内容で評価できないので、労働時間で評価するというくだらない慣習がまかり通っているのであろう。
収入ベースを残業代込みで長年計算してきたサラリーマンたち。そこに時間のムダというものが必然的に発生したのであろう。