会社の全体朝礼は「8時55分開始」となっている。管理部からのメール(全社員向け)にもそのように書いてある。そして開始時刻の「5分前」に集合することが“暗黙”のルールとなっている。“暗黙”であるからして管理部からのメールには「5分前集合」などとは一言も書かれていない。
この件は年末にA氏との「この会社の変な慣習」で少しやり取りして、「8時55分開始(8時50分集合)にしておけば誰も不幸にならないだろう」と結論付け、管理部へ余計なお世話であるが「8時55分開始(8時50分集合)と記述してください」とメールしてやった。しかし、相変わらずの無視であった。
ところが本日になってその無視された理由が判明。なんと「8時55分開始」すら嘘であったのである。管理部のメールを信じて“8時55分”に会場に行ったとしたらどんな冷たい対応をされることやら。何もよりも酷いことは“8時50分”に会場に行ったとしても「何を今頃来ているんだ!!」と怒られていたことであろう。なぜならば今朝の全体朝礼の開始時刻は“8時47分”であったのである。
8時43分、私が着替えをしていると「今日は“8時55分”から全体朝礼が行われます」と構内放送があった。「はい、はい、8時55分ね。50分に行けばいいんでしょ」と思っていると何やらザワザワ騒がしい。通路を見ると「民族大移動」のように社員がゾロゾロ移動しているではないか。おーいまだ“43分”だぞ~。
部署に入ると誰も居ません。時刻は“44分”である。急いで全体朝礼の会場へ向かうと既に整列をしているではないか。そして“45分”頃になると進行役の某課長がソワソワしだして出入り口ばかり見ている。管理部の某課長とアイコンタクトをしながら開始のタイミングを計っているようだ。“47分”社長登場、そのタイミングで全体朝礼が始まった………。
つまりは「開始時刻」など最初から決められていないということである。社長が会場にやってきたら即開始という暗黙のルールがいつの間にか作られたのであろう。よって社長よりも早く会場に集まる必要があり、社長がいつやってくるのか分からないから早め早めに集まることが自らの身を守るためであると勘付いた管理監督者達。自分達だけでは行きたくないから部下も引き連れ会場入り。それが部署間の牽制となり、他部署よりも早く会場入りするようになる。結局のところ回を重ねるごとに集まる時刻が早まり、社長も「社員を待たせるわけにはいかない」という親心なのか早く会場にやってくるようになった。
「8時55分開始(8時50分集合)」を明文化して公言すればこのような事態にならなかったものを、何かと曖昧にしておきたがる慣習のために起きた悲劇である。このままでは“8時45分”開始になるのもそう遠くないことだろう。朝の5分は大きいぞ!!