今日のセミナーはジャストシステムが開発した「xfyの発表会」でした。
まずは浮川社長からジャストシステムがいかに「日本語」というものに向き合ってソフト開発をしてきたか、そして「文章」というものをいかに大切にしてきたかという歴史的な話から始まり、その流れでXMLというものの本筋へ進みました。そのことでなぜジャストシステムがXMLに取り組んでいるのかという背景が明確になり、聴講者の思考が今回のセミナーに入り込みやすい雰囲気になっていきました。それを受けて、XMLの第一人者である村田氏が「なぜXMLなのか」という話をしたわけですから、段取りとしては良いと思いました。
しかし、浮川社長が温和な性格なのか分かりませんが、“トップ”らしからぬ話し方であったため、いまいちアピールポイントが伝わってきませんでした。そして村田氏が研究者らしく学会で発表するような話し方であるため、言っている事は確かに素晴らしい事なのでしょうが、現実味が伝わってきませんでした。
第二部で浮川専務(社長の奥様)がxfyの技術的な説明があり、なんとなくですがxfyがどういうものか分かるような雰囲気がするのですが、単なる予告編程度にしか伝わってきません。午後の部へ誘導するために“あえて”そのような内容にしたように感じました。浮川専務は経営者の立場にありながら根っからのエンジニア気風なのか、「xfyが好きでやっている」という雰囲気がします。
物足りなさを痛感しながら午後の部で実務責任者と担当者からxfyの詳細説明があり、ようやくxfyというものがどういうものか聴講者に伝わるのですが、なぜか「?」が付くことが多かったです。これはxfyに対して私が大きな勘違いをしていたのではと思い、セミナー終了後に展示会場で実務責任者に基本的な確認をしました。
「xfyはXMLドキュメントを生成するツールである」は確かに間違っていませんでした。但し、それは従来のHTMLページを制作するような気軽さでXMLドキュメントを制作することができるというものである。また、他のXMLドキュメントを読み込み新たなXMLドキュメントを作り出すことができることで、ドキュメントの再利用性が高いことも分かりました。xfyを使えばXHTMLページを容易く制作できることが一番のアピールポイントですが、「XMLってそういうことなのか?」と疑問符が付きます。
データベースに接続してXMLドキュメントを生成する機能について質問したところ、ちょうど開発中であり、順調に行けば来春にリリースできるだろうとのこと。ここでも何か違うと感じ再質問したところ、やはりあくまでも「ローカル」でXMLドキュメントを制作する段階でデータベースにアクセスする機能であった。
「xfyは“ローカル”でXMLドキュメントを生成するツールである」が正しい解答のようです。「動的にサーバサイドでXML形式のファイルを生成する」とか「動的にXHTML形式でブラウザに返す」というものをイメージしていただけに残念です。