2013年4月14日、15日
遠征4日目は天空のスカイラインと呼ばれている「磐梯吾妻スカイライン」を走ります。4月中旬に「東北遠征第一弾」を組み込んだ最大の理由は「磐梯吾妻スカイライン」で見ることができる「雪の回廊」のためです。
20130414会津若松観光
距離:73.3km
高度上昇値:661m
平均スピード:18.6km/h
20130415会津若松~福島
距離:101.3km
高度上昇値:1,344m
平均スピード:18.6km/h
「東北遠征第一弾」のもう一つの目玉として「SLばんえつ物語号」を設定していました。
「SLばんえつ物語号」は「新潟駅~会津若松駅」を1日1往復する現役のSL列車で、新潟駅を9時43分発、会津若松駅に13時31分着、折り返して会津若松駅を15時25分発、新潟駅に19時00分着という新潟市を起点とした会津若松観光のためのSLの旅となっています。
「東北遠征第一弾」でこのSLに乗車するというわけではなく、各駅の通過時刻と沿線情報を参考に「SL撮影」をすることを計画に組み込んだのです。
新潟の宿を早い時間にスタートして、どこでSLに追いつかれるのか計算しておいて、撮影ポイントで待ち構えるという段取りですが、この場合は「会津若松観光をする時間が全くなくなる」という事案が発生します。十年くらい前にドライブで会津若松およびその周辺を旅行したいという計画を立てて、諸事情により頓挫したことがあります。それ以来「いつか行ってみたい」場所の候補地に挙がっていたのが会津若松で、大河ドラマ「八重の桜」で注目されていることもあり、今回の遠征で会津若松を観光しておきたいところ。
当初の予定通り「新潟市→喜多方市→会津若松市→猪苗代湖」を走ろうか、それとも。夜中まで悩みながら就寝。
3日目
新潟のホテルの朝食バイキングは品数が多くて朝から大満足。
一晩悩んだ末に向かった先は新潟駅。
たま駅長に列車の旅が良く似合います。しばし、車窓の風景を楽しみながら、まったりと過ごします。
10時44分、八重の桜のポスターがずらっと並ぶ会津若松駅に到着。
新潟駅から会津若松駅までワープしたことで、今後の遠征スケジュールどころか「ブロンプトンの旅」そのもののコンセプトが大きく変わることになります。
「全てのルートを接続させる」という自分ルールに基づいて、佐多岬から宗谷岬までジクザグと47都道府県を旅する「日本縦断」でやってきた「ブロンプトンの旅」でしたが、新潟市と会津若松市の区間が分断されたことで自分ルールが崩れます。わざわざこの区間を改めて走りに来るというのもムダに思えます。
そこで「ブロンプトンの旅」のコンセプトを「日本縦断」から「日本一周」に変更。
日本海ルートで新潟まで北上して、そこから福島、宮城、岩手を周遊してから、山形を経由して秋田、青森、そして北海道という予定をやめて、新潟からはそのまま北上するルートにしておいて、“もう1本”別のルートで日本列島を縦断していき、北海道のどこかで結合させることで結果的に日本一周になるようにします。(このことで2013年の遠征の頻度が非常に多くなったのですが)
駅前に何かしらのオブジェがある駅が多いのですが、会津若松駅には会津らしく白虎隊の銅像。
さっそく飯盛山へ向かいました。白虎隊記念館前の白虎隊の銅像をみると白虎隊のメンバーが”こども”たちだったことが分かります。
さざえ堂
寛政8年(1796年)、実相寺の僧郁堂により建立されたといわれる仏堂です。六稜三層の形がさざえに似ていることからこの名で親しまれています。堂内に入ると、上り下りするためのらせん階段があり、参拝者は一度も対向する他の人に出会うことなく、また一度も同じ道を通ることなく、一方通行で堂内を参ることができるという世界的にも珍しい建物です。
白虎隊十九士の霊像を安置している宇賀神堂
飯盛山に辿り着き、黒煙の中に見え隠れする鶴ヶ城を見て絶望した白虎隊。
しかし、この場所から鶴ヶ城を眺めても遠すぎてよく見えません。実際は「城が陥落した」と勘違いした白虎隊の悲劇ではあるのですが、子供たちまでも戦に駆り出された戊辰戦争が生み出した悲劇。
自刃白虎隊十九士の墓。合掌。
家老屋敷西郷頼母邸
この先にはドラマに出てくるような悲劇的なシーンが現れるのですが、衝撃すぎて写真はありません。
時刻はすでに12時半を過ぎているためここで昼食にしましたが、「八重の桜」効果で観光客が非常に多く、注文したラーメンがなかなか出てこずちょっとイライラ。
写真のラーメンは大河ドラマ「八重の桜」放送記念特別メニューの「八重らーめん」
新選組 近藤勇の墓。
鶴ヶ城を散策。予定ではちょうど桜が開花しているタイミングで、桜に彩られた鶴ヶ城を楽しめる予定だったのですが、残念ながら開花が遅れていました。
桜を求めて周辺を散策してみると三の丸堀後に綺麗な桜並木を発見。このコヒガン桜は長野県の高遠町から贈られたものだそうです。
大繁盛の大河ドラマ館を見学。これより先は撮影禁止です。
お土産。
会津若松市内観光は午後2時ごろで終了。磐梯山の山並みを眺めながら、さらに時間を気にしながら喜多方に向かいます。なぜ、時間が気になるのかは。。。
15時45分、なんとか間に合ったようです。私以外にもあるものを狙っている人たちがいます。
来た!
目の前を通り過ぎるSLは迫力があります。
喜多方市にも立ち寄りたい場所があったため、SLの通過時刻と走行ルートを照らし合わせて「もしかしたらここなら撮ることがどきるかも」というポイントの目星をつけておいたのです。
喜多方の桜の名所「しだれ桜散歩道 日中線記念自転車歩行者道」。全長3kmの桜並木ですが、残念ながら全く開花していません。しばらく喜多方市の街並み散策を楽しみますが、「これは!」というものには出会えず。
「ばんだい」繋がりでバンダイの許可を得て展示している道の駅「磐梯」のガンダム。これを見るためにひたすら上り続けるルートを選択して結構疲れています。そして日が暮れる時刻も迫っているため少々焦ります。
夕陽に染まる磐梯山。18時26分、ようやく宿に到着。
猪苗代湖の宿の晩飯は何故か中華料理。品数が多くて味も良かったので十分に満足しましたが、猪苗代湖で中華料理というのも。。。
4日目
朝食。普通なら十分な内容ですが、自転車乗りには物足りない。早々と腹が減りそうです。
8時ごろに宿を出発。まずは宿のすぐ目の前の湖畔を散策。白鳥の形をした遊覧船。手前には本物の白鳥。猪苗代湖は白鳥の越冬地になっています。
観光ガイド本に記載されていた「白鳥の越冬地」に立ち寄ってみましたが、白鳥は既に飛び立った後なのか全く居ません。
大河ドラマのオープニングの撮影はこの辺りでしょうか。
この辺りから絶景サイクリングが始まりますが、もれなく延々と続く上りが付いてきます。
この景色を見るために、時期とコースを選んだのです。なんと素晴らしいのでしょう。
天空のスカイライン「磐梯吾妻スカイライン」の入り口ですが、ここまでの上り区間の景色だけでも十分に満足しているのですが、さらなる絶景が待っています。
景色に見とれて、何度も小休憩を取っているためなかなか進みません。このような素晴らしい景色の中を急ぐ必要もなく、のんびり行きます。実はブロンプトンですから、のんびり上るしかないのですが。。。
標高1500m。亀の歩みで少しずつ標高を高めていきます。
景色が素晴らしいため、こんな坂をひたすら上ってもそれほど疲労感がありません。
これが「雪の回廊」なのか~。今となっては「雪の回廊」は“おまけ”みたいなもので、上っている途中の素晴らしい景色に大満足。
「磐梯吾妻スカイライン」の頂上になる標高1622m地点。
今回の遠征の日程については「磐梯吾妻スカイライン」が全ての基本になっています。「雪の回廊」を目的とした観光客の車が激増するため、休日を避け、観光客が一番少ないだろうと予想した月曜日に「磐梯吾妻スカイライン」を持ってきました。そのため、ブロンプトンでえっちらおっちら上っていても迷惑を掛けることなく、頻繁に停まって写真を撮っていても誰にも遠慮をする必要もなかったわけです。
唯一の休憩ポイント「浄土平」。浄土平は磐梯朝日国立公園の中にあり浄土平湿原散策コースが用意されています。5月から9月までの花の季節にならば高山植物を観察しながら散策すると楽しいかもしれません。
のんびり上ってきたことで時刻は既に13時22分。景色が素晴らしすぎて腹が減っているのも忘れていました。「ソースカツ丼 900円」をいただきました。
「磐梯吾妻スカイライン」は浄土平を境にして雰囲気がガラッと変わります。前半の穏やかな雰囲気とは違い、後半は「火山性の有毒ガスの影響で草木が育たない不毛の大地」そのもの写真から少し先からは「有毒ガス発生、停車禁止」の看板が現れます。なるべく呼吸をしないように恐る恐る毒ガス区間を突破。
突破した後は快適なダウンヒルがひたすら続きます。こちら側の景色は「下るだけ」という雰囲気ですので、ちょくちょく停まって撮影ということは減ります。
写真の「不動沢橋」が楽しかった「磐梯吾妻スカイライン」の終点。あとは福島市内までいっきに下ります。
城跡らしきものが何もなくて「何かあるハズでは」とウロウロ。諦めかけていると警備の人と目が合ってしまった。「石碑みたいなものはありませんか?」と聞いてみると親切にも案内していただき、福島城跡の石碑とご対面。そしてに歴史話などもいただきました。
まだ時間があるため福島市内の桜の名所「花見公園」に立ち寄ってみることにしました。
「なぜサザエさん?」と思ったら放送中のオープニングが福島編だそうでそのアピール。
平日の夕方でも花見客で賑わっていました。さすがに福島市内で一番の桜鑑賞地だけのことはあって、見ごたえある公園でした。
最後に福島稲荷神社を参拝。
福島市内に宿泊するのならこれを食べなきゃと宿でグルメマップをいただき、さっさくお店に向かいます。メニューは円盤餃子30個、水餃子7個、湯豆腐、御新香、冷奴 その他はドリンクという徹底ぶりの餃子専門店。当然ながら円盤餃子30個を注文しましたが、一人で食べるにはちょっと辛いかも。途中で飽きてきます。
大満足の遠征4日目でした。