IDG主催の「Search Engine Strategies Conference」(4月20日)は日経BP社主催のものとは違い、“Web2.0は当たり前である”を前提のセミナーだった。
利用者の行動パターンを分析し、潜在的な欲求をいかに満たすかにベンダーの取り組みが移り、「ネットは生活に必須なもの」となっている人たちに対して何ができるのかが、各ベンダーの課題である。
「SEM:検索エンジンマーケティング」が今年のメインテーマとなっている関係で、セミナーの内容もSEMに偏っていたが、従来の「Webマーケティング」との違いが明確になり分かりやすいものだった。
「The Web (パブリック)」から「My Web (パーソナル)」へ、そして「Our Web (ソーシャル)」へ。
情報を提供する相手が不特定多数から個人へ変わり、個人別の情報提供がされるようになった。そして次のステップとして趣味思考が似ている人たちの情報を共有するような仕組みにすることで、プラスアルファの情報提供がされるようになった。
Amazonの“お勧め本”や“お勧めDVD”が先行した成功事例として事ある度に取り上げられてきたが、そのような考え方をより広範囲に取り入れることで生活全般に関わるアドバイザー的なものになってくる。
米国の事例として「重要な情報源」は何かという質問に対して「家族・友人 :80%」「オンライン :78%」というアンケート結果が出ているそうだ。
物心付いたときからPCがあり、学生時代にネットを活用してきた世代にとっては「ネットは生活に必須なもの」となっている。その世代より上の人たちもパーセンテージの違いこそあれ、ネットは重要な情報源になっている。だからこそ、企業にとっては「SEM」が重要になってくる。
日本には他国にない「携帯電話でのネット利用」という特色があるが、今まで“新しい仕組み”というものは米国から入ってくるものが大多数だったため、携帯電話向けのサービスが遅れているそうだ。ここが日本のベンダーにとってのビジネスチャンスであり「モバイルSEM」の可能性が出てくる。
検証結果として、PCよりも携帯電話の方がクリック率が高いらしい。画面が小さいことが幸いして「広告」の効果が高くなることがその理由。
中小中堅の製造業も従来の“販社向け”の営業活動ばかりではなく、一般消費者にもっとアピールするような活動をして、一般消費者の“指名買い”を起こさせるような仕掛けが必要であると改めて思った。