角館の桜と田沢湖のたつこの像「横手~八幡平」

東北遠征ファイナルの走行ルートは「わざわざなぜ?」と思えるような複雑なものになっています。シンプルな「いわて花巻空港→盛岡→八戸」では「岩手県を通過しただけ」になってしまい、「とりあえず47都道府県庁所在地を通った」という、つまらない日本一周になってしまうからです。

「日本一周をすれば良い」というわけではないため、できる限りあちこち立ち寄りたいと地図を眺めながら“落としどころ”を探す日々でした。なかなか決めることができなかった理由は、盛岡市を中心に西側と東側の両方に行きたいと強く思ってしまったからです。

「いわて花巻空港→盛岡→田沢湖→十和田湖→八戸」または「いわて花巻空港→盛岡→宮古→久慈→八戸」の二者択一をどうしてもできませんでした。田沢湖には行きたい。でも「宮古~久慈」の区間を避けることもできない。さらに欲が出て「八幡平の雪の回廊を見たい」が追加されたため、パズル状態になりました。

結局、3日間で予定していた「いわて花巻空港~八戸」の区間を5日間に増やして、「行ってみたい」と思ったところに行くことにしました。しかし、最終的に八戸へ向かうことには変わらないため、妥協点はいくつかあります。それらについては無理やり日本一周ルートに組み込まず補完計画で立ち寄る予定です。特に十和田湖周辺は紅葉の季節が良さそうです。

花巻空港~横手 103.8km(514m/550m)
横手~八幡平 135.6km(2290m/1763m)
八幡平~盛岡 129.3km(1516m/1999m)
盛岡~小本 133.7km(1344m/1418m)
小本~八戸 132.6km(1454m/1447m)
苫小牧~北広島 79.8km(388m/378m)

合計 714.8km(7506m/7555m)

遠征二日目


いつものように朝食バイキングでガッツリ補給しておきます。7時26分、宿を出発。


まずは横手城跡に立ち寄ります。横手城の建物は、よくある模擬天守で、内部は資料館&展望台となっています。この城は戦国時代から戊辰戦争までごたごた続きだったようです。

こちらのサイトが参考になりますが、かなり複雑です。
東北城館魂 横手城


横手城周辺に約5000本の桜が植えられている「横手公園」。俯瞰気味に池を絡めて撮ってみると良い感じです。


9世紀に創建された「払田柵跡」。なんとなく気になったので立ち寄ってみましたが、解説板などは特に見当たりません。

参考
払田柵って何?

門の奥の方に何かありそうな雰囲気。案内板などが無いため、どこから入るのかさっぱり分かりません。ソニーのナビで調べてみると、ぐるっと周って反対側から入れそうな道があったため、そちらに向かうとダート&ぬかるみ状態でブロンプトンが泥だらけになってしまいました。


最後は担ぎ上げて登頂完了。ここに何かがあったようですが、まだまだ調査中のようです。


バス停「桜」&戊辰戦争史跡(竹村庫之丞戦死の地)。角館藩士であった竹村庫之丞が壮絶な最期を遂げた地に植えられた枝垂桜。


桜の名所でも有名な「角館」。GW期間ですので、観光客が非常に多いようです。


静かに散策したい武家屋敷通りですが、桜の季節は桜が主役ですから、花見客で賑わっていて落ち着きません。


私も「角館を訪問するのなら桜の季節に」と考えていたので、「武家屋敷を楽しむ」が犠牲になっても仕方ありませんね。


桧木内川堤に咲き誇るソメイヨシノ。


国の名勝にも指定されている桧木内川堤の全長2kmの桜のトンネルは見ごたえがあります。

さてここからは山間地に突入します。


秋田県仙北市西木町の「かたくり群生の郷」に立ち寄ってみました。これだけ密集しているカタクリは初めて見ました。この一面だけではなく広い範囲に数か所あるため、自家用車でぐるっと周ることが推奨されています。よくある「乗用車進入禁止」ではありません。


これが有名な田沢湖の「たつこの像」。背景の雪山とセットで良い感じに撮れました。

田沢湖のほとり神成村に辰子(タッ子、または金釣カナヅ子ともいわれる)という名の娘が暮らしていた。辰子は類い希な美しい娘であったが、その美貌に自ら気付いた日を境に、いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたいと願うようになる。辰子はその願いを胸に、村の背後の院内岳は大蔵観音に、百夜の願掛けをした。必死の願いに観音が応え、山深い泉の在処を辰子に示した。そのお告げの通り泉の水を辰子は飲んだが、急に激しい喉の渇きを覚え、しかもいくら水を飲んでも渇きは激しくなるばかりであった。狂奔する辰子の姿は、いつの間にか龍へと変化していった。自分の身に起こった報いを悟った辰子は、田沢湖に身を沈め、そこの主として暮らすようになった。
wikipedia


ここで記念写真。


景色を楽しみながら湖畔道路をのんびりと走ります。今の時期の田沢湖が一番良いかもしれません。


遊覧船が鳥居の真ん中に来るタイミングを狙って撮影。


御座石神社の「たつこの像」は腰から下が竜になっています。


「玉川ダム」のダムカードをゲット。ここまでは心身ともに余裕があったのですが。。。


国道341号を走っていると突然現れた水芭蕉の群落。この辺りから道路わきに雪が残っていて妙な寒さを感じます。


数時間前までの景色とは打って変わって、雪国のような雰囲気。さらに冷たい小雨と急坂の連続で体力が消耗していきます。


まさかこのようなところを走ることになるとは、予想すらできませんでした。寒さで力が入らず、押し歩きが続きます。そして、途中で膝が痛み出して、今回も「過酷な自転車旅」になってしまいました。


ようやく峠を越えて宿までひたすら下るだけですが、寒さでガタガタと体が震えるため、ハンドルまでぶれてしまいます。無理する必要はないため、ゆっくり下りますが「ここは雪国なんだ」と改めて思い知らされました。


17時24分、宿に到着。風呂、洗濯そして夕食。

楽しみにしていた宿の夕食ですが、自転車乗りには物足りません。2月の時点で宿を確保しましたが、その時点で既にめぼしい宿の空きはなく、なんとか確保した宿がここでした。

近場の温泉地ならともかく、この宿すら満室状態ですから、景気が少しでも良くなってくると旅の段取りに支障が出てきます。ちなみに、今回の遠征で泊まった他の宿は「予約時」の宿泊費でしたが、この宿は増税後の金額になっていました。



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