株価が暴落したので小説「株価暴落」を読んだ

今週に入って保有している銘柄が下落、全ての銘柄が大きく下落、そして全ての銘柄が大暴落という3連続攻撃で、もう手出し無用でどうにもならなくなりました。

そこで、気分転換に購入しておいた小説「株価暴落」を読むことにしました。


小説「株価暴落」

舞台は某銀行と某大手企業。

ある日、白水銀行の板東洋史が担当する大企業・一風堂の店舗で爆破テロが発生。債務超過に転落してから経営再建に乗り出した矢先の事件だった。犯人は「案山子」と名乗り、一風堂会長と社長の辞任、そして会社清算を要求する声明文を出し、一風堂の株価は暴落する。メインバンクである白水銀行では、破産懸念の一風堂にこれ以上の追加融資を反対する坂東と、倒産しないように支援を続けるべきという企画部次長の二戸哲也が激しく対立する。
そんな状況下で一風堂内部では、財務部長の友部勇作が一風堂創業者でワンマン会長の風間耕造を解任すべくクーデターを画策していた。一方、爆破犯人を追う野猿刑事と田崎刑事は、容疑者と目された犬鳴黄を追いかけるが、なぜかなかなか捕らえることが出来ず、やがて第2・第3の爆破テロが発生する。
そして白水銀行では、追加支援を見送るかどうかを決定する役員会が開かれようとしていた。
(wikipedia)

ページ数に対してストーリーはなかなか進みません。三分の二まで進むと急激に面白くなって最後までいっきに読めますが、半分まで読み進めるまでが退屈という印象です。

例の「倍返しだ!」で有名な『半沢直樹』に刑事ドラマ要素をぶち込んだだけの小説かと思えるのですが、個人的には「株で簡単に儲ける方法」が元ネタになっているような気がします。ラストのオチがそのものですから。

古い小説ですので今さらネタバレ云々は良いような気がしますが、銀行側の話と刑事ドラマ部分は避けて、気になった「株」の話だけ触れます。

経営破綻になりそうな企業に大銀行が支援することを公表した途端に株価が高騰

そのタイミングで100万株程度の信用売りする(実際にその量が可能なのかは分かりません)

何かの方法を使って株価を大暴落させる(世間に倒産するかもと思わせるほどの悪材料が必要)

実際に株価が大暴落する

大暴落した株を買い漁る

100万株を350円で売って50円で買い戻せば3億円の儲け(それができるのが信用取引)

大規模な信用取引が成功すれば苦も無くぼろ儲けできるというわけです。

実際の話として…

株価が安そうな時期に株価が上がらない程度にこっそり買い集める

あるタイミングで目立つように信用買いする

株価が上昇する

それに気が付いた人たちが買い始める

さらに上昇する

出遅れた人たちが買う

爆上げ

「株価が高すぎるような気がする」と気が付く前に最初に仕掛け人が信用売りを仕掛ける

まだ上がると思っている人たちが買う

信用売りが続く

株価が下落

慌てて売りに入る

ますます下落

売り合戦に入る

大暴落

信用売りした人たちが買い戻す。最初に現物を買っていた人たちもこれでオシマイなら現物を渡しで完了。

巻き込まれた人たちは大損。

ということがあるので、現物買いの人は儲けることができないのです。

小説「株価暴落」を読んで分かったことがあります。それは銀行が保有している株です。銀行の決算時に保有している株が資産計上されるため、何もしなくても株価の変動で資産が増減します。決算前に保有している株価が暴落しては困るので、決算前までは株価を支える動きをして、それを過ぎれば、支える必要がなくなり株価が下落。

どうしても株価が気になってしまうなら、3月下旬から4月は株を保有しては駄目だとなりますね。



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