たぶん30年くらい前のことだと記憶しているのですが、「アメリカだとデブのビジネスマンは評価されない」が話題になって、そこから「できるビジネスマンにデブはいない」という流れだったような。
取引先と接点を持つ営業マンには耳が痛い話で、同期の肥満体のA氏は営業先で「痩せたら話を聞いてやる」と何度も追い返され、一時的にダイエットに励んだという逸話があります。しかし、ダイエット成功というレベルまでには達せずに諦めたようです。A氏は世間でいうところの“良い人”ですので、営業マンの体型を気にしない取引先を担当するようになったようですので、その辺は上司の配慮も必要ということですね。ただ、若いころはデブでも良くても、四十過ぎ、五十過ぎでデブは不健康一直線ですので、気を付けるべきですね。
さて、最近は読んで売却するパターンが増えてきたのでブックオフオンラインを利用する頻度が増えてきました。新刊でも買取額が哀しくなるほど安いのは残念ですが、少し古い書籍を中古を買おうと思ってもそこそこ良さそうな書籍は高いです。ちょっと読んでみたい程度なら200円とか300円になっているものを買って、10円で売却が未練がなくて良いです。
今回も“ついで買い”で大量にポチしました。その中の1冊は完全にタイトルにつられてポチしたものですが、そもそも読まなくても中身は想像できます。
なぜ賢いお金持ちにデブはいないのか? (著)田口智隆
これまで、3000人を超えるお金持ちとのインタビュー経験により、田口氏が見つけたもの――。
それは、真のミリオネアたちが「絶対にやらない哲学」を持っているということでした。
では、その「絶対にやらない哲学」とはどういった内容なのか?
その全貌を明らかにしつつ、賢いお金持ちのマインドがすぐに身につく一冊です。
序章 自己管理だけで、お金の出入りはここまで変えられる!
第1章 賢いお金もちは食事でこんなことを絶対しない
第2章 賢いお金もちはこんなパートナーを選ばない
第3章 賢いお金もちはこんなことにお金を使わない
第4章 賢いお金もちはこういう人づき合いをしない
第5章 賢いお金もちはこんな仕事の進め方をしない
読み始めると、なぜか妙な違和感とか嫌悪感を抱きます。最初の数ページで既にそうです。とりあえず最後まで読んでみました。
3000人の“お金持ち”を見てきた著者が、「真のお金持ちとはどのような人たちなのか」を述べています。よってあくまでも著者の主観です。「真の金持ちにデブはいないなぁ」と漠然とした発想からそういえばという雰囲気で書籍にしたのでしょうか。
著者が進学塾の講師をやっていた時の月の収入が50万円もあったそうです。年齢的にバブルの時代でもないのに塾の講師で50万円というのは本当なのでしょうか。そして、後輩を引き連れて、毎夜のキャバクラ通いと夜遊び三昧。貢物も結構していたようで、借金も増え続け、不摂生の生活で気が付けばデブになっていたとか。50万円の稼ぎがあれば、無駄使いをやめ、健康にも気を付ける生活をすれば、借金返済もダイエットもできるだろうに、なぜか仕事をやめて家業の保険代理店を継ぎます。
「家業を継ぐ」ことは大変かもしれませんが、逃げ道に使えるという印象があります。ドラマの観過ぎかもしれませんが、借金が膨らんでどうにもならなくなった道楽息子、それを見かねた親父が借金の肩代わりをする。その代わりに家業を継がせる。真面目に働いて親父に金を返す。そして、「短期間で数百万円を返した。俺ってエライ!!」。自慢にもなりません。
著者はその成功経験を本にしてダメな人相手のセミナーも開催するようになります。Amazonの著者紹介ページを見ると43冊の書籍を出しているベストセラー作家らしいですが、この「なぜ賢いお金持ちにデブはいないのか?」を読む限りとてもそのようには感じません。
田口氏の他の書籍を読んだことが無いので断定はできませんが、セミナーを開けば人が多く集まり、本を書けば売れるということは、きっと、“しゃべりの天才”なのかもしれません。自分が話すことで相手が「なんとなくやる気になった」というのはそれはそれで才能です。
「なぜ賢いお金持ちにデブはいないのか?」で言いたいことは、真の金持ちは「自己管理ができる」「全てにおいて流されない」「曖昧にしない」「自分の時間と金を大切にする」が身についている人たちです。親の莫大な財産を相続して、自分では何もしなくても金に困ることなく、贅沢三昧している金持ちがデブになるのは当然ですね。
ところで、ブックオフオンラインで購入した中古本ですが書き込みがありました。買取時のチェック漏れだったのでしょうか。