「定年後にやってはいけないこと」に関する書籍とか雑誌はいくつか読みましたが、「やってはいけないこと」ではなく「やっていいこと」が書かれている書籍は見かけません。定年後は人それぞれ好きなようにやればということでしょうか。ところが「定年後にやってはいけないこと」をやりたければそのための準備をしておきましょうという特集が掲載されている雑誌があったので買ってみました。
THE21 2021年12月号
「これさえ読めばだいたいOK」という特集記事かと期待しましたが、雑誌のページ数に対してものすごく少ないです。表紙サギかと思えます。
とりあえず読んでいくと、なんと「全部読みたかったらこれ買ってね」でした。この雑誌の「50歳からはこれしかやらない」に関しては、あくまでも著名人それぞれが考えている50代の過ごし方です。
アドバイス的なものを求めるなら、雑誌ではなく書籍を読みましょうということです。
ということでポチしました。
50歳からは、「これ」しかやらない 1万人に聞いてわかった「会社人生」の上手な終わらせ方 (著)大塚寿
会社人生の終わりが近づき、「役職定年」によって立場も奪われる。50代を取り巻く環境は厳しい。いったい、何をモチベーションに働けばいいのか悩む人も多いだろう。
本書は、「1万人の話を聞いてきた男」が、先人たちのアドバイスを元に「50代を後悔しないためにやっておくべきこと」を説くもの。
40代までと違い、「会社のために働く」という意識では行き詰る。そこで、50代を「会社人生から脱却するためのリハビリ期間」として、どのように組織人から「個人」へと脱却するかを説いていく。
その一方で、自分の仕事を「集大成」するための方法を、豊富な先人たちの事例を元に紹介。
また、現在では50代の4人に1人が他社へ転職するという時代。定年後に別の会社に再就職する人も含め、多くの人が気になるであろう「50代~定年後の転職事情」についても詳しく紹介。中には、「顧問」「大学の先生」という意外なキャリアパスも……。
定年後を迎えるのが楽しみになる1冊。
第1章 「定年」と真正面から向き合い、準備する
第2章 後悔しない定年後のための「いい会社人生の終わらせ方」
第3章 50代で必ず手放すべき六つのこと
第4章 転職・再就職……定年後のキャリアで後悔しないために
第5章 すべての「人間関係」を50代で再構築せよ
第6章 50代で「一生勉強する自分」を手に入れよう
『「定年後にやってはいけないこと」をやりたければ50代のうちにこういうことをやっておけ』が具体的に書かれているので、間違いなく定年前どころか50歳代前半辺りの人が読むべき書籍です。
本題は定年後云々ではなく、“50歳過ぎた会社員”が会社でどのように振舞うことが、自分にとってそして同僚や部下にとって幸せなのか具体的な事例で解説しています。世間一般的な人事制度には「50歳になったら」「55歳になったら」があります。そういうことはその年齢になるまであまり表に出てこないので、注意深く年輩者たちを観察していないと気が付かない若い人が多いかもしれません。
「良くも悪くも、しょせんは会社員」の本質を理解していれば、何となく自然に立ち振る舞いが変わっていくものです。私もそうしてきましたが、実は35歳辺りで気が付いていました。理解していない人は頑張りが空回りするサラリーマン人生を送っているはずです。
50歳過ぎたサラリーマン必読です。
書籍に書かれていますが、あくまでも対象は男性です。ある程度の偏りが見られる男性に比べて、50歳過ぎでバリバリ働いている女性はそれこそいろんなパターンがあるため、著者がアドバイスのしようがないとのこと。そもそも「定年後にやってはいけないこと」ですら対象は男性です。それだけ「こうあるべき」思考の男性が多いということです。