私の持論の中に「人生を12年サイクルで考える」というのがある。「12年サイクル」というものは昔から私が勝手に思い込んでいただけのことなのだが、まんざらハズレではないらしい。もっと理論的な話は他のWebサイトに譲るとして、とにかく私は「12年」というものに拘っている。
まだ自分では何もできない最初の12年間、子供から大人になる12年間、社会人として一人前になる12年間、自分の人生を考える12年間、ゴールへ向かうための12年間、そしてリタイア。「60歳定年」という慣習もこの辺にあるのでは。
入社して1~2年の時期というものは「とにかく働く」という位置付けにあるわけで、本当の「仕事」というものをする年齢は24歳頃からである。そこからの12年後つまり36歳頃が「一人前の社会人になった」といえる年齢であろう。会社での仕事だけではなく、結婚して自分の家庭を持ち父親(母親)としての役割もあるであろう。そのことで4番目の12年間というものは「家族のための12年間」になってしまうのが一般的である。ある面、悲しいことだが。
入社して十数年も経つと「仕事」だけではなく「会社」そのものも多方面から見ることができるようになる。会社の中の位置付けも「中堅社員」としてバリバリ働く立場にある。「仕事」に関して能動的に取り組めることができ、面白いとか楽しいと感じられるならば、そこからまた成長もするであろう。しかし、「会社」というものが分かってしまうことで「仕事」への挫折感を持ち結果的に意欲も無くなる。何が一番問題かといえば「仕事は面白い。しかし会社はつまらない。」この状況が続けば「仕事もつまらない」となってしまうのである。「仕事は厳しい」たしかにその通りだ。しかし「仕事は厳しいが楽しい」とか「仕事は厳しいが“やりがい”はある」ならば「やっていこう」と思えるが、「会社はつまらないし、仕事もつまらない」これではなんの為に働いているのか。「自分のため」ではなく「家族のため」とか「生活のため」であろう。その転換期が3番目の「12年」が終わる36歳だと私は思う。
「バリバリ働ける30代後半」
この時期に次へのステップアップを目指して「転職」を考える人も多いと思われる。
なぜ転職したいのか?
そこには「会社」という“箱”に要因する。
「ヤドカリ」は自分の成長に合わせて「宿」を変えていく。それは生きていくための行動。
「会社」ではなく「仕事」というものを重要視するのならば転職も一つの選択肢である。
しかし、「不況の時代」ではその選択肢は摘まれている。世の中の基準が「会社」になってしまっているのである。「ヤドカリ」が「宿」を探すのではなく、「宿」がそれに上手く嵌る「ヤドカリ」を探しているのである。求人情報などを見ると「求人数」も「求職数」も非常に多い。普通に考えれば失業者数など減ると思えるのだが、減るどころか増える一方である。これは「宿」優先主義による“アンマッチ”が原因である。
ヤドカリは「宿なし」では生きていけないので、窮屈な「宿(貝)」で我慢するしかないのが現状である。「守るべきものを持たない」とか「まだ守ってもらえる」という立場ならば「宿」を探して放浪の旅にでるのも良いだろう。
結局のところ“サラリーマン”は“ヤドカリ”と同じなのである。
「宿」が気に入らなければ自分で「宿」を作れば良い。それが起業である。
続く。