A氏が「工場で使うパソコンを4台、至急手配する必要がある」と言って、同僚B氏にいつものPCショップに“組み立て品”の見積もりを取るように依頼していた。そのPCショップというのは私が随分昔に開拓して取り引きが始まったショップなのだが、それ以来何かと「すぐにいるから」といろんな部署で “組み立て品”が導入されてきた。だいたい「すぐにいるから」というのは無計画に仕事を進めた結果のツケである。計画の初期段階から「必要なPCの台数」を見積もっていればこのようなことにはならないし、仮に初期段階で分からなくてもある程度進んだ時点で分かるものだ。ところが導入直前になってからようやく「そういえばPCがいるんだよな。何台いるんだ。とにかく安いやつを至急手に入れろ。」なんてやっているから、私の勤務先は某PCショップの超お得意様なのである。
“組み立て品”が流行し出した当初はメーカー品との価格差が大きかったために、経費節減のために“組み立て品”を導入するメリットも大きかった。その後、メーカー品の価格は下落し続け、組み立て品との差がなくなりつつあり、一時はほとんど差が無い時期があったものです。「すぐに欲しい」場合は“組み立て品”で、少し待てる場合はメーカー品を手配すれば良いとなるのが普通でしょうが、相変わらず無計画に「今欲しい」と言い出す部署が多かった。
月日は流れ、再びメーカー品と“組み立て品”の価格差が出てきました。これはメーカー間で安売り合戦をしていてはそのうち共倒れしてしまうことに気がつき、メーカー品に関しては「付加価値」で価格を維持するという方向に変わったためです。メーカー品に関しては人によっては「要らない物が付いているから高い」と思うでしょうね。私もその中の一人です。
前置きが非常に長くなりましたが、ここからが本題です。
“組み立て品”のパソコンの寿命が非常に短い気がします。これは気のせいなのでしょうか。同僚C氏はしょっちゅう他部門から持ち込まれる“組み立て品”を修理しています。当然のごとく修理といっても部品交換が多いわけですので、某PCショップへ部品を買いに行くこともありますし、私の部署には「修理用」という名目で部品のストックもあります。私が会社で使っているパソコンは5年以上前の「初代ペンティアムII機」です。もちろんメーカー品です。今まで一度も壊れたことがありません。ところがそれよりも随分後に導入された“組み立て品”は次々と壊れていきました。3年以上一度も壊れていない“組み立て品”があるのかと思えるほど、頻繁に壊れます。
あくまでも経験則なのですが、同じような部品を使っていてもメーカー品の方が寿命が長いような気がするのです。自宅で使っているコンパック製の安いPCでも、全然壊れませんし調子もいいです。(最近、ノートPCにバトンタッチして役目を終えました)
車の部品にもA級品とB級品があるように、パソコンにもそれが当てはまるのでは?
パーツ単体で売っているものはB級品のような気がするのです。よってB級品の寄せ集めの「組み立てPC」の寿命が短いのではと勘ぐってしまうわけです。
“組み立て品”のブーム初期、私は自宅で“組み立て品”を楽しみました。新しいパーツが出るたびに次々と交換していきワクワクしたものです。マイブームが冷めてからは「どうしても必要」とならない限り、部品を買うことはなくなりましたが、部屋には“組み立て品”の残骸が5セット分ころがっています。そして、その他使っていない部品もたくさんあります。
“組み立て品”というものは部品を交換する楽しみのためにあるようなものですので、部品の寿命が来る前に交換されてしまう可能性が高い。よって、「部品の寿命」というものを気にされなかったのではないのか。ところが、企業などでは「安く買って、長く使う」ため、部品の寿命まで使われることになり、結果的には次々と壊れていく“組み立て品”を見ることになったのではないのか。
以上は、あくまでも私の「そんな気がする」という話です。