今日は「ZDNetビジネス&マネー」に掲載された「休暇中のレイオフが急増――IT労働者の悲しすぎる夏」について考えたいと思う。
掲載されていた記事を簡単に説明すると「アメリカのIT関係の仕事をしている人たちが夏の休暇中にクビになった。本人が長期間留守にしているのを見計らったかのように留守電やメールで“クビの通達”を済ましてしまう。」だそうです。
あちらの方々は「バカンス」をとる習慣があり、長期間の旅行を楽しむのもごく一般的なこと。そこを逆手にとって本人が不在のうちに解雇の手続きを済ませ、留守電に「おまえはクビだ」といれておく。何も知らずに帰ってきて留守電を聞いたら...。「休暇明けに出勤したら自分の机がなくなっていた」想像するだけでゾッとします。
このようなことをされて問題にならないのだろうか。もし日本だったら裁判沙汰になるだろう。それにしても「お疲れ様。たまには旅行でもして、のんびりしたら。」なんて上司の甘い言葉を鵜呑みにして休暇を取ったら、そのままクビになってしまうなんてなんとも酷い話です。「おまえはクビだ」と面と向かって言いたくないから、このような卑怯な手段をとるのでしょう。もしも面と向かって「おまえはクビだ」と言われたら「言われなくたって、こんな会社なんか辞めてやる~」と捨て台詞を吐きたいところですが、留守電にそれを叫んでも虚しいだけ。
教訓「上司の甘い言葉には裏がある」
それでも、やり方は酷いがどうせクビになるのなら長期休暇を貰えるだけマシかもしれません。
「退職時に有給休暇をどれだけ貰えるのか?」
従業員には有給休暇を取る権利があるのだから、とうぜん退職前でも取っていいはず。一般的には長年勤めていれば年間20日の有給休暇を取る権利があります。退職する月によりますので、まるまる20日間も取れるかどうか分かりませんが、何日間かは貰えるはず。
私の知り合いがT社(大企業です)を退職するときに、本人が驚くほどの有給休暇を貰ったそうです。それも何も問題なく。
有給休暇というものは前年分の繰越しができますので、最長40日間の有給休暇を貰う権利があります。ということは頑張って上司を説得すれば退職時に30日間貰うことも不可能ではないはず。そんな心配をすることもなく、そのT社を退職した人は上司から「来月の1ヶ月全部有給にしておくから」と本人が何も言っていないのに手続きをしてくれたそうです。スゴイ。羨ましい。
一方、私が勤めている所(中小企業)は、「やめるやつに金なんかやる必要はない」がまかり通っています。昔の話ですが、私の同僚が退職するときに給与締め(20日)と退職日(30日)に10日間のズレがあり、本人はその10日間が有給扱いになるものだと思い込み21日から会社を休み30日に挨拶だけをしに会社に顔を出し退社しました。
その数日後、私が上司に「有給になるのですよね」と確認したところ「やめたやつに有給なんかやらんでいい。無給休暇だ。」と平然と答えられてしまったので「それはマズいんじゃないですか」と抗議したところ、なぜか私が辞めた人の分の書類を書く事になり管理部に提出させられました。「なんでや」…。
そのことを他の同僚に言いふらしていたら、ある人がバラバラと目立たないように有給を取るようになり、もうそろそろ取り難いかという段階になった時、なんと辞表を出した。周りはあぜん。前兆無しの退職とはムッムッ。
まだまだ中小企業ゆえのセコイ話がありますが、それはまたの機会ということで…