「無宗派です」と言い切れるほど宗教とは無縁の私ですが、うちの家系は浄土真宗本願寺派(西本願寺)ですから、法事の時になると「そういえばそうなんだ」と改めて思うこともあり、昨年末の親父の葬儀から四十九日供養までの期間は、“しきたり”みたいなものを少しばかりは勉強しました。
しかしながら、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」みたいなもので、四十九日供養が終わった途端に七日七日のお経をあげることもなくなり、宗教とは無縁の生活に戻っています。
家を継いだものとしては、常識の範疇の事柄は知識として身につけておく必要はありますが、知らなくても済むと言えば済みます。特に浄土真宗の場合は、決まりごとが緩いため、「こうしなければいけない」ということはあまりないようです。
「アドラー『人生の意味の心理学』 2016年2月 (100分 de 名著)」のついでに、なんとなくですが「『歎異抄』 2016年4月 (100分 de 名著) 」も購入しました。
この書籍はNHKの「100分 de 名著」のテキストですから、番組のページを見ればざっくりとした内容は分かります。
「歎異抄」ほど一宗派の壁を超えて、多くの人たちに読み継がれている宗教書はありません。西田幾多郎、司馬遼太郎、吉本隆明、遠藤周作等々……数多くの知識人や文学者たちが深い影響を受け、自らの思想の糧としてきました。また、信徒であるないに関わらず、膨大な数の市井の人々の人生の指針となってきました。なぜ「歎異抄」はここまで強く人々の心を惹きつけてきたのでしょうか?「100分de名著」では、「歎異抄」から一宗教書にはとどまらない普遍的なテーマを読み解き、現代人にも通じるメッセージを引き出していきたいと思います。
ド素人向けの教養番組のテキストですから、たぶんですが“とても優しく分かりやすい”解説がされているはずですが、この手の話に慣れていない私には難易度がまだ高いです。興味深く面白いとは思うのですが、“宗教には興味が無い人”向けにはなっていなく、私も浄土真宗に全く関わりが無ければ途中で投げ出していたと思います。
読み進めていると「この単語は経本にあるな」と何度も気づかされるため、最終的には経本の勉強も必要になるのかもしれません。実は、少し前に購入した浄土真宗に関する書籍には、お経の文面の解説が書かれていますが、難解すぎて全く読んでいません。それを読むレベルには達していないということです。
このテキストを読み終えた直後に「理解したい」という欲求がわいてきたため、超入門編に相応しい書籍を注文しました。
「他力本願」の本当の意味を知らない人は、少しばかり勉強した方が良いかもしれません。