FP3級の勉強をしてみると「知らないと損する」ことが非常に多いことが分かります。しかし、「FP3級のための勉強」では「このような制度がある」という認識になってしまい「では自分の場合は具体的にどうなの」に辿り着きません。制度が複雑すぎて具体的な解釈まで至るには「FP2級」が必要かもしれませんが、「FP」で学ぶ範囲は広すぎるため“趣味”レベルの勉強ではなくなってしまいます。
難しい制度を普通の人に「では自分の場合は具体的にどうなの」を親切に教えるのが「ファイナンシャルプランナー」という肩書の人たちのお仕事です。つまり「ファイナンシャルプランナー」が一般向けに書いた書籍を買えば「自分に該当する制度」がどうなっているのか分かるといわけです。
サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65――給料、年金、退職金、副業、パート収入、病気、出産で使える!
あれこれ天引きされて腹を立てているサラリーマンが飛びつきそうな『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』という上手いタイトルに感心させられます。「FP3級」の勉強をした後では「ワザ」ではなく「制度」であることは理解できますが、複雑怪奇な「制度」を小学生でも分かるくらいまで落とし込んだ解説は素晴らしいと思います。
定年間際になって「退職金」と「年金」をどう受け取るのか。よくわからないため、会社とか取引銀行の言いなりになってしまうと大損する可能性が高いです。「自分が貰える金額」によって打つ手が違うのです。そのあたりを非常に詳しく解説している書籍ですので、「そろそろ定年か~」と溜息をついているサラリーマンにお勧めです。私の場合、FP3級の勉強をして計算方法だけは知っていましたが、まだ定年まで少しあることもあって実感が湧かずこのまま「制度」のことを忘れてしまうところでした。数年後に再びこの書籍を読み直して損をしないように手続きをせねば。