スポ根娯楽漫画「サインはV!」

名作「アタックNo.1」に引き続き「サインはV!」を読みました。

50歳以上の人ならアニメの「アタックNo.1」、ドラマの「サインはV!」を観た記憶がある人は結構いるかもしれませんが、原作漫画を読んだ人はどのくらいいるのでしょう。

「エースをねらえ!西高物語 千葉鷹士編」目当てでこのムック本を買ったことがきっかけで、私はスポ根少女マンガに興味を持ったわけですが…


大人の少女マンガ手帖熱血!スポ根ヒロイン/『このマンガがすごい!』

「アタックNo.1」はスポ根の王道であるわけですが、スポ根を題材とした人間ドラマです。「木の葉落とし」「ダブルアタック」「マシンガンアタック」「風船アタック」「竜巻落とし」などの技が出てきますが、実際にはできないにしろ「もしかしたらできるかもしれない」と思えるような範疇です。それらはストーリーの本筋には必須ではありません。

「アタックNo.1」に対抗して連載が始まった「サインはV!」は、序盤こそ「アタックNo.1」に似たような雰囲気が漂いますが、途中からは読者を楽しませるための漫画らしい漫画になってきます。そのターニングポイントは「ジュン・サンダース」の登場であるわけですが、そこからの展開が非常に早いです。

「『アタックNo.1』は『巨人の星』、『サインはV!」は『侍ジャイアンツ』の路線かな」が両者を読んだ印象です。

「サインはV!」は途中から「あり得ない必殺技の応酬」と「ジュン・サンダースの悲劇」の2本柱で話が進みますが、本筋の「主人公が日本代表選手になる」という部分はどうでもよくなり、終盤ではスポ根少女マンガなのに思わず読みながらウルウルしてきます。

主人公が日本代表選手として活躍するエピソードは、大人の事情でコミック化されずに無かったことになっているようです。たしかに「ジュン・サンダースの悲劇」で完結させた方がまとまりが良いです。

あくまでも好みの問題ですが、どっちが娯楽漫画として面白いのかという点では「サインはV!」をお勧めします。



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