昨夜の出来事。
夕食後の犬の散歩、雨がパラパラと降っているのに犬が行きたがるので最短コースで行くことにした。
折り返し地点でUターンして、「もう帰るぞ」と犬に話し掛け、犬も今日は素直に自宅の方向に向かって歩き出す。
住宅地の小さな交差点、なにやら大きな荷物が放置されている。「誰だ。こんなところに放置しやがって」とソレに近づいてみると、、、
なんと“人”である。「えらいこっちゃ。人が倒れているじゃん。」「大丈夫ですか~」と話し掛けるが「‥‥‥」無言である。「もしも~し」と肩を揺するが動く気配無し。「これは大変だ」と私が動揺していると犬の散歩をしている主婦Aが通りかかった。
「すいません、携帯電話を持っていませんか。人が倒れているので救急車を呼んだ方がいいと思うので」と話し掛けると主婦Aは近寄ってきて「どうしたの?」と倒れている人に話し掛けるが返事無し。
「そこの家の人に電話してもらう」と言って民家に駆け込む「どうしたの」と驚いた顔で主婦Bが現れる。
私、主婦A、主婦Bの3人で倒れている人に話し掛けるが、「うー」と唸るだけである。
やはり救急車を呼ぶしかないとなり、主婦Bが救急車の要請のTELをする。電話先の救急隊からいくつかの質問があり、主婦Bから主婦A、そして倒れている人へ伝言ゲーム形式で伝えられる。「救急車!」という言葉に反応したのか倒れている人の意識が戻ってきて、とりあえずは「年齢」とどこの住民なのか判明。主婦Aの「どこに住んでるの~!」と叫び声に「○○」と答える。○○といってもかなり広範囲。いったいどこの人なんだろう。薄暗くてさっぱり分らん。とりあえず雨の中、倒れていては大変。頭を打っている可能性があるので動かすこともできない。私は傘を差してあげるのが精一杯である。
数分後、救急車が近くまでやってきた。その音に反応したのか、倒れていた人がムクと起き上がった。そして一同ビックリ!
なんとご近所さんである。主婦Bが叫ぶ「□□さん!どうしたの!」。
(以下、倒れていた人=主婦C)
主婦Cの意外な一言で一同呆れる。
「ちょっと飲みすぎちゃった」
ちょうどそこへ救急車登場。
そこから先はまるで「喜劇」でした。
「なんで救急車なんか呼ぶの~」に対して「雨の中、人が倒れていれば、誰だって心配するでしょ」とキレ掛かっていた私であった。
人騒がせなご近所さんである。寝るのなら自宅に辿り着いてから寝ろ。
この話にはまだいろいろとおまけがあるのだが、一番のオチを最後に書こう。
私が今回の第一発見者だったわけだが、実は本当の第一発見者は別にいたのだ。その人物は近所の中学一年生の女の子である。塾帰りだったらしいが。
女の子が言うには「変な人が道に倒れていたけど、気味が悪いので無視した。」とのこと。「触らぬ神に祟り無し」ちゅうやつか?
勘の良い人なら、そろそろオチが見えてくるでしょうか。
大騒ぎしている最中、女の子も「なんか近所が騒がしいな」と思っていたらしいが、顔を出すことはなかった。
倒れていた人の正体が主婦Cと判明した直後、主婦Bは真っ先に主婦Cの自宅に「お母さんが倒れているよ」と連絡して、すぐにその家の子がやってきた。
「あっ」その子のバツの悪そうな表情。
そうです。倒れている人を無視した女の子こそが主婦Cの娘だったのです。
その場では女の子が第一発見者であることは誰も分かるわけありません。なぜそれが判明したのか、、、、
騒ぎから1時間くらいたった頃、「さっきね」で始まる暴露話が私の娘宛てにメールが届き、娘が私に「○○ちゃん、人が倒れていたの知っていたみたいだよ」と教えてくれたのであった。