年金に関する税金が複雑すぎます

定年延長終了後にいったん退職扱いになって再雇用になった某氏は、「退職金を年金として受けとるとお得です」と担当部署から説明を受けたようです。

しかし、その説明があまりにも適当過ぎるので、そもそも何を言われているのか就業規則を調べたり、ネットで税金がどうなるのか調べたらしいのですが「さっぱり分からなかった」だそうです。

最初から私は「一括で貰うべきです」とアドバイスしたのですが、担当部署から「10%多く支給される」と言われたため、もしかしたら得かもしれないと思ったようです。一括で退職金を貰って銀行に預けても10年間で10%の利息は付きません。それと比べたらお得かもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。

年金とか税金に関する制度は頻繁に変わるため、常に情報のアップデートが必要です。そこで最新の「いちばん親切な年金の本」と「いちばん親切な税金の本」をポチしました。

「いちばん親切な年金の本」と「いちばん親切な税金の本」

公的年金は雑所得になるため、所得税と住民税がかかります。年金に関する税金が分かりにくい理由は、この書籍も課税対象の金額がいくらになるのか書かれていますが、実際に所得税と住民税がいくらになるのか書かれていません。

個人年金や企業年金に関しても同様です。

なぜならば「税金が引かれた金額が振り込まれるから」が大前提になっているためです。

数多くの日本人は「行政が勝手にやってくれるから、何も知らなくてもいい」ということかもしれません。

「知らなくてもいい」の裏のあるのは「がっぽり税金を取ります」です。

国主導なのか「公的年金の支給を繰り下げるとお得です」を頑張ってアピールしていますが、本当にお得なのかどうかは、実際の手取りがいくらになるのか計算しないと分かりません。「繰下げ月数×0.7%が増額されます」というのは税込み金額であって、手取りではありません。頑張って頑張って繰下げて「2倍貰える!!」と喜んでも手取りは2倍にはなりません。

「だったら手取りはいくらなんだろう」と知りたいわけですが、ネットで探してもサクッと分かるページはどこにもありません。なぜでしょう。

断片的に情報を集めると65歳以上で年金支給額が330万円未満/年なら公的年金等控除は110万円です。200万円/年なら90万円が課税対象です。

ところが年金にも基礎控除があるため48万円減らすことができ42万円が課税対象になります。

さらに社会保険料も引き算するため、既に訳が分かりません。そもそも公的年金が200万円/年の人の社会保険料がいくらになるのか分かりません。

良く分かりませんが篩にかけて残った金額に所得税率5%、復興特別所得税率0.105%を掛けたものが所得税になります。

これで終わりません。

あれ配偶者控除は?夫婦で年金貰っている場合は?

などなど不明な点があります。

そして、住民税です。

なぜか国のWebサイトではなく市町村のサイトで調べることになります。

例として検索で一番最初にヒットするページ
収入は年金だけなのですが、住民税を払うのでしょうか? | FAQ_住民税 | 北海道安平町
非課税になるのは
・65歳以上で配偶者のいない方で、年金収入が1,480,000円以下の方。
・65歳未満で配偶者のいない方で、年金収入が980,000円以下の方。
・65歳以上で配偶者のいる方で、年金収入が1,928,000円以下の方。
・65歳未満で配偶者のいる方で、年金収入が1,470,666円以下の方。

所得税の場合は「158万円の壁」がありますが、住民税だと同じ条件でも「148万円の壁」があります。

ところがところがQ&Aサイトには「年金211万円の壁」というキーワードがあります。

複雑怪奇な制度すぎます。

調べてみると「年金211万円の壁」は本当に重要な壁になるようで、211万円を超えなければ「住民税非課税世帯」となり、数多くの恩恵を受けられるのです。よって「公的年金の支給を繰り下げるとお得です」を信じて繰り下げして年金をたくさん貰うようになった時点になって「こんなはずでは」となります。

いろいろ調べても一発で計算してくれるページが見つかりません。なぜか解説してる書籍もありません。

ざっくりで、211万円を超えないような年金の受け取りをすれば、所得税は少しだけ払っても「住民税非課税世帯」になるので、一番お得となります。

ここでようやく最初のシニアさんの話に戻ります。

「退職金を年金として受けとるとお得です」を真に受けて年金扱いで貰うと公的年金と合算されて計算されます。通常の個人年金なら運用益にだけ税金が掛かりますが、なぜか会社が用意した制度を使うと全額に税金が掛かります。仮に30万円に10%上乗せされて33万円貰っても、33万円に所得税と住民税が掛かります。シニアさんが貰う年金200万円/年(たぶん)に合算されて、211万円の壁も突破するため結果的に大損になります。

会社の制度を使って得する人は合算させても211万円の壁を突破しない人であり、それでも33万円が所得税を引いた約31.3万円だけなってしまうので、全く得した気分にはなりません。

それにしても、わざと分かりにくい制度にしておいて「もう訳が分からん。文句言わんと払っておけ」と仕向けるようになっているとしか思えない、「年金に掛かる税金」のお話でした。

どこかにさくさくと計算してくれるサービスはないのでしょうか。


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