写真甲子園シャッターガールmoment


東京シャッターガールの第三巻で「写真甲子園」のエピソードがありますが、その「写真甲子園」に特化した漫画です。構成としては主人公たちの青春物語ではなく、あくまでも「写真甲子園とは何なのか」を解説するような一種のガイド本です。文章で説明しても伝わらないので、主人公たちを通して読者に「写真甲子園」を疑似体験させるような雰囲気にあるため、実際のところ写真をある程度は趣味としてかじったことがなければ、本当に伝えたいことは伝わらないと思います。

まんがでわかる〇〇シリーズのように漫画にすることで分かりやすくなるため、写真部に所属しているとか、趣味でやっている高校生にお勧めの一冊です。

さて、写真部3人が「写真甲子園」に挑戦するお話ですが、まずは、物語序盤で語られる「廃校の危機にある母校を救いたい」という漫画やアニメにありがちな設定には無理があります。瀬戸内海に浮かぶ小さな島にある唯一の高校ということはそもそも人口が少ないわけで入学希望者を増やすためには若い世代の人口を増やす必要があります。よって主人公たちの頑張るためのモチベーションを「母校を救いたい」というのは安直すぎます。そしてラストシーンの「主人公が教師になって母校の写真部の顧問になった」というくだりは、「実写版ちはやふる」のパクリかと思えるほど「写真甲子園」とは無関係なエピローグです。ページ数の都合なのか、主人公たちの“悪戦苦闘ぶり”は殆ど描かれていません。さらに強豪校がなぜ優秀なのかの過程も結果もバッサリカットされているため、読み終えた後の感想がやはり「写真甲子園のガイド本なのか」になってしまいます。

「写真部を舞台にした青春もの」は「小説 写真甲子園 0.5秒の夏」らしいので、物足りなさはそちらで補完ということかもしれません。




関連エントリー