大河ドラマ「麒麟がくる」の放送開始前に読んだ書籍が「天正10年の史料だけが証す本能寺の変の真実」です。この書籍に書かれているようなストーリーなれば面白いかもしれないと期待しましたが、残念ながらそうはなりそうもありません。
大河ドラマはいつも一年通して「良かった」「面白かった」という作品は皆無で、だいたい前半か後半のどちらかとか、一部のエピソードだけ良かったという感想です。あくまでも私個人的には。
「麒麟がくる」に関しては、序盤の美濃編に明智光秀は殆ど関わっていないらしいのですが、あくまでもドラマですから、斎藤道三が良い役割をしていました。「真田丸」の時の「これって真田昌幸のドラマなのか」と思えるほど、主人公がどうでも良い存在でした。
そんなこんなで、「本能寺の変」までのストーリーとはあまり関係ないエピソードを大量に盛り込んだことが要因なのか、「麒麟がくる」は終盤の数話でいっきに話を盛り上げてきています。残り2話です。
さて、「麒麟がくる」を観ながら最高に楽しめる漫画をまとめ買いしました。
信長を殺した男 全8巻+外伝
今まで「秀吉」に関しては、サラリーマン受けを狙ってか史上最大の下克上を果たした英雄みたいな扱いをされてきましたが、「信長を殺した男」では完全なる悪役です。そのくらいしなければ下克上などできないということになっています。
さらに、今までの「光秀」の扱いは全て秀吉による捏造だそうで、それを踏まえて考えてみるといろいろと辻褄が合ってきます。
細川藤孝の裏切り、長曽我部元親の決断の遅さ、高山右近の裏切り、北条に家康が足止めされる。という予定外の4つが起きことで勝てる戦に負けた光秀。裏工作を駆使して天下を取った秀吉。しかし、光秀の計画が上手くいったあとは家康に譲るつもりだったらしいので、歴史は変わらないというのが「信長を殺した男」の結論になっています。
大河ドラマでどのように描かれるのか分かりませんが、最終局面で気に入ったシーンは3つ。
一つ目
「四国問題の責任を取らされ一族路頭に迷う危機が迫っている」だけでは自己主義的な問題になってしまいますが、「何が何でも唐攻めをやめさせたい」が最大の決断ポイント。秀吉が唐攻めに固執した理由が「信長の意志」だったようですので、「軍師官兵衛」で描かれていたエピソードからすると、光秀はあのような悲劇・惨劇を予想できていたとなります。
二つ目
祖父、父、正室、嫡男を信長に殺された家康は間違いなく信長を恨んでいる。武田家が滅亡したことで東の防波堤にしていた徳川家を残しておく必要はなく、何かをきっかけに謀反を起こす家康を生かしておくことは危険ゆえに、今のうちに暗殺する。「なんだって!!」ということでここから光秀はいかに信長を暗殺するのか思いを巡らす。
三つ目
全てが終わって徳川の世になり、家康が家光に語るシーンが感動ものです。二人で平和の世を作ろうと誓った「“家”康」と「“光”秀」から名前を貰ったのが「家光」。ぜひとも「麒麟がくる」のラストシーンに使って欲しいです。これさえあれば光秀が報われることでしょう。