コロナ禍で改めて考える書籍「つながり過ぎた世界の先に」

書籍のタイトル「つながり過ぎた世界の先に」から何となく「SNS時代の人と人の繋がり」みたいな内容かと想像してポチッ

つながり過ぎた世界の先に
つながり過ぎた世界の先に (著)マルクス・ガブリエル

「COVID-19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた」と哲学者マルクス・ガブリエルはいう。人々が一斉に倫理的な行動をとったことは、資本主義の行方にどのような影響を与えるのか。本書ではさらに、「国と国とのつながり」「個人間のつながり」「経済活動のつながり」を読み解き、終章で改めて個人の生のあり方を見つめ直す。
「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が、新しい時代のビジョンを示す一冊。哲学者は、徹底した抽象的思考を行うことで、総合的で普遍的なビジョンを提示することができる存在である。ならば、ガブリエルは本書で、哲学者がなすべき仕事をしっかりと果たしたといえるだろう。
第I章 人とウイルスのつながり
第II章 国と国のつながり
第III章 他者とのつながり
第IV章 新たな経済活動のつながり 倫理資本主義の未来
第V章 個人の生のあり方

著者がどこかに籠って時間を掛けて書き上げたという書籍ではなく、ドイツ滞在のマルクス・ガブリエル氏と日本滞在の編集者&インタビュアーがリモート会議方式で作り上げたものです。それゆえなのか、読んでいてもテレビ番組などでひたすら専門家が語り続けているような錯覚になり、途中で詰まることなく読み進めることができます。

イメージしていたSNSに関することは第三章の「他者とのつながり」ですが、第一章と第二章で三分の二ほどページを使っていて、メインかと想像していたテーマに関してはページ数が少なく、なんとなく“おまけ”扱いです。

コロナ禍で国や地域でどのような取り組み方をしたのか。そこにはどのような国民性があり、政治家たちはどのような決断と実行をしてきたのか。特に国のトップ(大統領、首相など)に対する評価は忖度なくバッサリと切っています。中にいると分からないことでも外からは良く見えるようで、日本の取り組みは高評価です。

タイトルの「つながり過ぎた世界の先に」のイメージは“人”でしたが、歴史的な背景も含めて国と国の繋がりにも言及しています。

ざっくりですが、「COVID-19」に関して各国がどのような取り組みをしたのか、外から見て日本はどう評価できるのか、その辺りが気になる人は読んでみると良いかもしれません。



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