書籍を集中的に読みたくなる期間が過去に数回ありましたが、その最初のころに齋藤孝氏の書籍も読み漁りました。当時は報告書やら提案書など「文章」をまともに書くようになりたいという必要に迫られてという理由でした。
ぐるっと1周して久しぶりに読んでみたのが『人生は「2周目」からがおもしろい』です。「50歳から始める知的向上感の育て方」というキャッチにつられたからです。
人生は「2周目」からがおもしろい (著)齋藤 孝
多くの人は40代までに、仕事や人生における一通りのことを経験する。人生100年時代、50歳からはいわば「2周目」になり、新鮮さや好奇心を失う人も多い。しかしそれはあまりにももったいないと著者は力説します。教養、心身の「軽さ」の取り戻し方、地位、お金、雑談、旅……「先細り」「シュリンク」とは無縁の、新しい発見と可能性を生み続ける日々をすごす知的なヒントを提案する、すべての大人必読の一冊です。
1章 心の庭に「うつの雑草」が伸びていませんか?
2章 1周目でたまった「重さ」を取り除く
3章 「身体の固さ」を取ると心が柔らかくなる
4章 毎日の「向上感」が新しいアイデンティティをつくる
5章 「お金」の考え方、使い方を整理する
6章 節度ある「雑談力」が人間関係を豊かにする
7章 好奇心、感動―2周目で初めてわかる楽しさがある
8章 学校教育を回収して「真善美」を追究する
「人生100年時代だから50歳で半分」が前提になっていますが、私の考えとしては20歳までは準備段階でそこから30年間は仕事や家庭に全力を注いで、その後の30年間は自分のための時間だと考えてきました。よって、都合よく「50歳」が節目なのです。ずいぶん前に会社の宴会の席で「50歳までは頑張ります」とエライ人に話したことがあります。その時はエライ人から「えっ、50歳でやめるのですか?」と言われましたが、「いえいえ、うちの家系は短命で、50歳辺りで亡くなる人が多くて、それ以降は“おまけ”なのです」と説明しました。
そういえばそんなことがあったなと今さら思い出すのですが、だいたい50歳辺りまでは仕事も趣味も全力でした。まあ40歳過ぎた辺りからは、仕事と趣味のどちらが重要なのかの比重は変わってきましたが、とにかく「するべき」「しなければならない」志向であったことは間違いありません。
仕事に関しては50歳になれば「やり切った感」があることは間違いなく、会社側に何か新しい提案などをしても受け入れてもらえなくなる時期になり、定年まではそれまでやってきたことの惰性であり、退屈そのものです。
書籍に書かれているように、会社勤めにおいては大抵のことは分かっていて、どの辺りのことが「会社に言っても無駄」なのか明確に分かります。よって、提案とか交渉どころか愚痴を言うことすら無駄です。
そのやり切った感をもった50歳過ぎのオッサンの心構えがズバっと書かれている書籍ですので、「約30年間も頑張ってきたぞ」と自負している人にお勧めです。「燃え尽きて何かをする気力がない」となる前に読んでおきましょう。
いくつかキーワードを書籍からピックアップしておきます。
「人生いつでも初心者という気持ちを大切に」
「2周目は他者の評価ももちろん大切ですが、自分で自分に評価をくだすことが中心になります」
「マイブームをつねの意識する」
「他者承認から自己承認へとシフトするのが2周目」