若松義人氏著の「トヨタ」の本です。 この手の本が多すぎて「もういいよ」という人も多いでしょうね。
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トヨタで活躍してきた人に文才があれば、トヨタをリタイアした後もトヨタをネタに優雅な印税生活ができるという代表例みたいなものでしようか。
「モノづくりは人づくり」「人が人をつくる」「モノをつくる前に人をつくれ」――トヨタには営々と語り継がれてきた人づくりへのこだわりがある。成果主義にもリストラにも背を向け、いまだ終身雇用を守りつづける会社が、なぜ純益一兆円を超え、アメリカのビッグスリーを凌駕するトップ企業となったのか? 「上司と部下」の関係に焦点をしぼった人づくりの面から、世界最強経営の根幹を明らかにする。
マネーゲームにも見える買収劇によって時価総額を膨らませていくライブドア的手法に対し、「一世代かけて同質化すれば買収は必ず成功する」というトヨタ流の考え方はなんとも異質だ。だが、トヨタ幹部が口にする「一〇年」「一世代(三〇年)」という単位に、トヨタの本当の強さの秘密がある。人を育て、自分を育て、会社を大きく育てるトヨタのノウハウは、仕事のうえでも、人生を豊かに生きるうえでも、きっと役に立つ。
“トヨタの人づくり”に関する集大成というか要点を抑えたダイジェストみたいな本ですが、とりあえず一冊読んでみるのならば最適な本です。
一つの話題を4ページで完結させ、その都度「実践ノート」として“まとめ”の言葉が書かれているため、数分の暇があればキリが良い所まで読めます。前後の話には関連性は無いため、少しの空き時間を有効的に使うにはちょうど良い。まさに忙しいサラリーマンに向いている構成です。
何かの記事(雑誌とかWeb)というレベルではなく、“トヨタの人づくり”の本というものをまともに読んだことが無い私には「なるほど、なるほど」と参考になることが多い。(読みながら、自分の勤務先と比べてしまうのが哀しいが)
この「なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか」は、“トヨタの人づくり”に関する本を読んだことが無い人に最適な一冊です。
まだ修正が可能な管理監督者に読んでもらいたい本といえるかも。(“頑固じじい”になってしまった管理者は読むだけムダ)
本は苦手という人も「実践ノート」をパラパラと読んでみるだけでも価値あります。