40歳過ぎたら『「まじめな人」ほど老化する』を参考に

岡田尊司氏の著書は専門的なことを専門家の立場で素人向けに解説されていますが、それでも難易度は高く、「気軽に読む」レベルではありません。

和田秀樹氏の「男も更年期で老化する」を読んでみたところ、著者の経歴ゆえか「専門家が語る」ではなく、著者の体験をベースに「こうした方がいいですよ」という流れで語られるためアドバイザー的な内容になっています。

そこで「更年期で老化する」の前段階にあたるであろう書籍も購入してみました。


和田秀樹(著)「まじめな人」ほど老化する

人は中高年になると、脳が硬直化することで感情の老化が進み、やがて体の老化も速めてしまう。老化を予防するためには、今までの「仕事一筋」「家庭一筋」の生き方を見直し、脳に新たな刺激を与えることが必要なのだ。本書では、老年精神医学の専門家の立場から、世間にあふれる禁欲的な健康法を疑い、好きなことをすることで齢をとらない生活習慣術を説く。

ポイントになりそうな箇所を少しばかり抜粋してみます。

・健康神話の崩壊
 何を持って健康なのかというお話。とても興味深い内容です。

・糖尿病の人はアルツハイマーになりにくい
 深読みすると「糖質制限」に対する警鐘のような内容です。低血糖状態の人はボケ老人になる可能性が高まります。

・コレステロール値が少し高い方が、うつ予防になり、ガンにもなりにくい
 これも全ての事が“トレードオフ”であるというお話。

・肉を食え
 男性の更年期は男性ホルモンの減少が原因だから、肉をもっと食べましょうと言うお話。もともと日本人は肉の摂取量が少なすぎるのだから、年を取ったから減らすというのは間違い。

・NK細胞の活性化
 最近話題になっている「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」のお話。免疫力を向上させることが大切。

・我慢型の健康法は不健康
 40歳、特に50歳過ぎてからの何かしらの我慢を強いる健康法やダイエット法は逆に老化を進めるというお話。ここも参考になります。

・医者は、治療法を知っているが健康法を知らない
 ここは“目からうろこ”の話題です。病院は病気を治してくれるが健康にしてくれるわけではない。

・40代の医者が70代の患者に何を食べたら長生きできるのか聞かれても答えられるわけがない
 妙に納得させられます。医者からすれば「あなたは私より長く生きているでしょ」です。

・スポーツカーに乗ってゴルフへ。できれば助手席には女性を。
 若さの秘訣は心身ともに“アクティブ”であること。特に気持ちを若く持つこと。

書籍タイトルの『「まじめな人」ほど老化する』が言わんとしているところは、40歳までは何事も“まじめに”生きてきてもいいが、それ以降は老後のために一生付き合えるような趣味を作り、もっと気楽に生きましょうということです。

心身ともに“アクティブ”な遊び人になることが若さの秘訣であり、何歳になっても新しい事にチャレンジすることが大切。

全般的に内容が薄い気がしますが、健康番組をあれこれ観るよりは遥かに得るものがあります。四十半ばを過ぎて、何となく“老化”を感じるようになった人向けの入門編としてはちょうど良い書籍です。



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