AbemaTV(アベマTV)で観て、小説を読んで、そして改めてブルーレイを購入してじっくり観た「秒速5センチメートル」についてはもう良いかなという雰囲気でしたが、「お誕生月クーポン」が届いたため“ついで買い”で漫画版も購入。
映像作品を漫画にすることを「コミカライズ」というらしいのですが、昔のコミカライズ版は無名な作家が適当に書いたものが多かったような気がします。しかし、この「秒速5センチメートル」については丁寧に描かれています。単純に絵柄が丁寧というだけのことではなく、内容も丁寧に作られているのです。もちろん「小説版に絵を加えた」というものではありません。
小説を読んで、ブルーレイで観て十分に満足した人にとっては蛇足に感じることも多々ありますが、第三章に関しては、オリジナリティが高い内容になっています。そして、“おまけ”になるのかもしれませんが、花苗の後日談は完全にオリジナルストーリーです。
「秒速5センチメートル」は「あれこれ説明しなくても観た人は分かってくれるだろう」という作品ですので、「よく分からんのでつまらない」と感じる人がいるかもしれません。そういう人は、これでもかと細かく説明している漫画本を読んでみると作品の感想が変わるかもしれません。
ただ、漫画を読むと「貴樹は小心者のただのヘタレか」と思えてしまったことも事実。ちょっとした勇気と思いがあれば、もう少し違う行動になっていたはず。ただ、それをしていたらドラマにはなりませんね。
映画版→小説版→映画版→漫画版
の順番でいけば、「秒速5センチメートル」というお話が完結すると思います。決して漫画本から手を付けたりしないように。