いつもいっしょにいるからいつも苦しい。一番近いのに、一番わからない。「夫婦」という密室で、心が病んでいくのを防ぐ方法とは?気持ちを切り替えて心の重苦しさを一掃する、心理学の知恵!
目次
1.「夫婦」って難しい
2.モンスター妻、エイリアン夫の対処法パートナー
3.妻が、夫が心の病かもしれないと思うとき
4.別れを選ぶとき
5.別れを選んだその後の生活
著者の紹介
臨床心理士。専門はトラウマケア、被害者学。武蔵野大学非常勤講師。武蔵野大学心理臨床センター相談員。武蔵野大学大学院人間社会研究科人間学専攻博士後期課程修了。博士(学術)。DV、ハラスメント、性犯罪などの被害者の心のケアに携わる。
夫婦の人間関係を扱う専門家らしく、第一章ではデータに基づいて「現代の夫婦というものはこうなんだ」と説明されます。ここについては大いに参考になります。
第二章では具体的な事例を使ったモンスター妻やエイリアン夫のケーススタディーで、それぞれどのように対処したらいいのか解説しています。事例ごとに対処方法が違うことは参考になりますが、だんだん「読み物」に感じられてきます。なんとなく情報番組の再現ドラマを観ているような感覚。対処しても問題が解消しないことが多いように思えたのは気のせいでしょうか。
第三章で解決策などを語られるのかと思ったのですが、なんだかよく分かりません。その流れで第四章と第五章は「別れ」の話に終始して、話がくどいため斜め読みしました。
全般的に男性目線で読むと、なんとなく違和感があります。
11月22日=いい夫婦の日=に考えたい なぜ夫が、妻が、ストレスの原因になるのか?『みんな「夫婦」で病んでいる』
夫が、妻が理解できない。一番近いのに、一番わからない――。現代社会では「夫婦」がお互いの最大のストレスになっているケースが非常に多いという。一緒にいるのがつらい。でも、やっぱり別れたくない! そんな矛盾を抱えながら「夫婦」として幸せになりたいと願う、すべての 夫、妻たちへ、心の専門家が解決法を提示した。
となっていますが、専門家とはいえ、あくまでも女性の立場、女性目線の考えで書かれ、「主婦の友社」からの出版ですから、夫婦関係に悩んでいる女性のための書籍なのかもしれません。
ここまでは「それでは夫側はどうしたら良いのでしょうか」が伝わってこなかった書籍でしたが、締めのところに書かれている「『気が合う』と『仲がいい』は違う」は大いに参考になります。
仲がいい夫婦の特徴
・相手の考えや意見の違いを「違い」として認められる。
・離れていても信頼感が揺らがない。
・不測の事態に一番にその人の無事を願う。
・取り換えがきかない、人生の相棒。「仲がいい夫婦」がもともといるものではありません。時間をかけて、努力を重ねて、「夫婦が仲良くなる」ものだと思います。
関係の改善に必要な「ルール」と「礼儀」
1.相手の人格の基盤になるものや大切にしているものを否定しない。
2.相手の話を聞く。
3.相手の顔を見てあいさつをする。
4.感謝の気持ちを言葉にする。
5.相手の人格や人間性を否定しない。
6.干渉しすぎない。
7.二人の大事な記念日を忘れない。
8相手を認める。褒める。
9.相手の立場になって考える。
10.期待しすぎない・求めすぎない。
11.移ろうものではなく、相手の本質に魅力を発見する
「気が合う」と「仲がいい」では本質が違うということを理解できなければ、何も進展しません。長年いっしょに暮らすためには、お互いの個性を認め合うことがもっとも重要なのかもしれません。
無理に繋がりを求めるがゆえに関係を悪化させることもあるため、同じ趣味を楽しむとか仕事をいっしょにやるという繋がりを求めるよりは、「近くにいるだけでいい」そういう関係が一番良いのかなと私は思うようになりました。
実は大いに反省しているのですが…