24日の「Short Program」、そして25日の「Free Skating」、両日共にベテラン勢の底力を世間に見せ付けましたね。
荒川静香選手の滑り終わった直後の決めポーズが「どうだ!」という感じがして良い! 「私がフィギュアの女王よ!」という雰囲気が演技にも現れています。さすが世界レベルです。
村主章枝選手の観客を魅了する演技は美しい。良いですね~。現地で直接見るともっと良いんだろうなぁ。村主章枝選手の場合は滑りに対する考え方と実際の演技が“ブロ的”なんですね。お客さんに楽しんでもらえる滑りをするというのはプロそのものです。本来の「フィギュア」というものは点数競技ではなく、魅せる競技だと思う。
恩田美栄選手もここぞという時は決めてくれます。経験に裏打ちされた演技力はさすがです。普段の恩田選手は「陽気なオバさん」みたいな雰囲気で面白い人ですね。滑っているときとのギャップの違いが良いのかも。
今シーズン上り調子の中野友加里選手は、GPファイナルに引き続き期待させてくれる滑りを見せてくれました。タイプがベテラン勢と似ているだけに演技力の差が出てしまいましたが、これからの4年間で大きく伸びる選手でしょう。今季のGP、GPファイナル、全日本の通算ポイントは5人の中で一番ポイントが高いのですから、ちょっと“芽が出るのが”遅かったというところでしょうか。
参考記事 美姫、静香、村主がフィギュア五輪代表
http://www5.nikkansports.com/sports/figure/figure-top.html
連戦の疲れで本来の滑りが全く出来ない安藤美姫選手、ここが踏ん張り所でしたが、痛々しい滑りには同情します。18歳とはいえ疲労回復する時間が全く無い状態では、十分に休養を取ってきたベテラン勢に敵うわけありません。
参考記事 美姫ギリギリで五輪切符/フィギュア
http://www.nikkansports.com/ns/sports/p-sp-tp0-051226-0012.html
浅田真央選手はGPファイナル同様に軽やかな滑り、そしてトリプルアクセルの2連発で盛り上げてくれました。「真央ちゃんにオリンピックを」というのが世論ですが、この大会を見て私はちょっと考え方が変わりました。真央ちゃんがスゴイのは一つ一つの技(ジャンプ、スピン、ステップ)、つまり「パーツ」が他の選手に比べてとても優れているというところ。だから技術点がダントツに高い。ところが表示される点数をよーく見ていると、技術点の後に表示される細々とした点数がベテラン勢に比べて明らかに低い。これは何なんだろうと以前から気になっていましたが、本日「解説ページ」が見つかり、「真央ちゃんの活躍の理由はこれか」と勝手に納得。
参考記事 新ジャッジングシステム
http://www.geocities.jp/cxb00463/skate11.html
難解なルールですが、このページを読む限り、新システムになったことで真央ちゃんタイプの選手は高ポイントを稼ぎやすいようです。特に“若さゆえの体力”という武器を使うと加算ポイントを稼げますね。真央ちゃんの今後の課題は総合点(滑走能力、技のつなぎ、演技力、振り付け、曲の解釈)をアップさせること。これについては経験なのでしょうか。「技術だけではオリンピックでメダルを取ることはできない」と日本スケート連盟が断言すれば「真央ちゃん問題」はとっとの収まっただろうに。
真央ちゃんを除く5人の中から3名選出。当初からポイントランキングで決定されることが公表されていたので、普通に滑れば安藤選手は確定的。中野選手は2010年のバンクーバーへ向けての強化育成選手になるでしょうから、ベテラン勢3名から2名選出。荒川、村主、恩田選手のガチンコ勝負決着。
そして、世間を騒がせた女子フィギュアスケート代表選出問題は“順当”で決着。
荒川、村主、安藤選手の活躍を期待します。
ところで放送された番組ですが“さすがフジテレビ”といえるほど演出にこっていましたね。バレーボール番組で培ったノウハウが役に立っているようです。オリンピックのフィギュアの放送はどこがやるのか。それが気になる…。