ロードスターRFは完成度が高そう

ディーゼルエンジンは始動後に温まるのが遅いため、片道12km程度の通勤では燃費があまり良くありません。“通勤だけ”という状況では平均燃費は16km/ℓ程度になります。冬場の燃費の悪さの要因には、DPF再生の頻度が高まるというのもあります。夏場は湿気が多く、さらにエアコンも使うため、燃費が伸びません。よって、そこそこ乾燥していて、エンジンの温まりが早く、エアコンも使わない今の時期が一番燃費が良いといえます。

年間通して、通勤だけにしか使わないという条件の場合、クリーンディーゼル車を選ぶなら片道15km以上なければメリットがありません。10km未満なら間違いなくハイブリッド車が有利です。クリーンディーゼル車を短距離しか乗らない場合は不具合が起きます。マツダのディーゼルエンジンのリコールは、それが原因によるものです。「DPF再生が追い付かない」なら不具合が起きて当たり前です。

片道の通勤距離が10~15kmの場合が微妙すぎます。この場合は、通勤の途中で1回程度はエンジンを4000rpm程度まで高める必要があります。つまりそれができる通勤路の開拓が必要というわけです。

DPF再生が始まったら会社や自宅に着く前に終わらせなければ、次回の始動時に再びDPF再生が最初からやり直しになってしまうという仕様のため工夫が必要です。DPF再生が始まったら「Mモード」にして、信号発信時は4000rpmまで高めて、それ以降も2500~3000rpmで走れば6km程度でDPF再生が終わります。「あと2kmで終わるのに…」というタイミンクで会社に着いてしまうと哀しくなりますが。


前振りが長くなりましたが、今日はデミオDの半年点検です。新型CX-5の売れ行きが良いらしく、いつもよりディーラーが賑わっていて、担当セールスさんも忙しそうです。その忙しい合間をぬってロードスターRFの試乗をお願いしました。もちろん普通の試乗コースではRFのポテンシャルが分からないためスペシャルコースです。スペック的にはロードスターをハードトップタイプにしたこととエンジンをMC前のアクセラ2.0のエンジンを積んでいること。

1.5ℓのロードスターには物足りなさを感じましたが、さてどうでしょうか。


見た目は間違いなく非常に良いです。このリアからのスタイルが最高に良い。オープンカーが欲しい人は“幌”が好きなのかもしれませんが、オープンカーではなくスポーツカーが欲しい人ならクーペデザインのハードトップが好みのハズ。

走り始めて「おっこれは!」とすぐに気が付きます。2.0ℓですからトルクが全く違います。さて、そこから踏み込んだ感じはどうなのでしょうか。

アクセラを試乗した時は「これって本当に2.0ℓなんですよね」と何度も確認したほど物足りなさを感じましたが、ロードスターRFは力強く加速していきます。もちろん車体の軽さはあるでしょうが、エンジンを縦置きにしだけではなくチューニングしてあるのかもしれません。軽いフライホイールが使われているためかシフトショックが非常に少なく、減速時も気持ちよくシフトダウンしていきます。アルテッツァの5000rpmからのトルク感がロードスターRFなら3000rpmから体感でき、上までキッチリ回ります。あのアクセラのエンジンの「この重さは何?」が嘘のように消えています。試しに上り区間で2000rpmからアクセルを踏み込むとスムーズに上っていきます。アルテッツァなら間違いなくシフトダウン必須の状況でしたが、いやはやこのロードスターRFの2.0ℓエンジンは扱いやすいです。

そしてコーナリングも全く違和感がありません。スピードレンジが違う場合はどうなのか興味がありますが、さすがに試乗で峠に行くことはできませんね。

試乗コースで何故か渋滞に巻き込まれたことで、アイドリングストップを試すことができました。MTでアイドリングストップさせるシーケンスが面倒ですので、たぶんアイドリングストップさせない人が多そうです。

試乗を終えて担当セールスに「むちゃくちゃ完成度が高い。原点回帰に拘らずに最初からこれを出せば良かったのに。」と伝えたところ「原点回帰がコンセプトでしたから…」と困った様子。300万円払ってオーリスを買おうか迷ったくらいですから、それに少しプラスしてこれが買えるのなら間違いなく買っていたロードスターRF。実用性は殆ど無いけど、既に実用車があるのなら完全遊び車としての選択肢としてはベストかもしれません。



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