実写版「美少女戦士セーラームーン」に引き続き「美少女戦士セーラームーンCrystal」を観ることにしました。少し調べてみると、1992年から5年間放送されたアニメ版のリメイクではなく、原作漫画のアニメ化のようです。1995年の「美少女戦士セーラームーンSuperS」のころに原作漫画を購入したことがありますが、当時は「全く違う作品」という妙な違和感がありました。原作は完全なる少女漫画でアニメは一般向け娯楽作品だったからです。
という経緯がありますが、ブルーレイ版の中古価格がお値打ちになっている1巻から13巻までまとめ買いしました。これらで「ダーク・キングダム編」と「ブラック・ムーン編」は完結するため、話数は原作とほぼ同じということになります。
1992年の「美少女戦士セーラームーン」全46話(ダーク・キングダム編)
1993年の「美少女戦士セーラームーンR」全43話(魔界樹編 13話、ブラック・ムーン編 30話)
76話あったものが26話に短縮というわけではなく、「題材は近いけど別物」という扱いです。
さっそく観始めますが、いかにも今風の絵柄で最後まで観ることができるのか不安になってきました。実は2016年の「美少女戦士セーラームーンCrystal デス・バスターズ編」のオープニングだけ観て「これは無理」となっただけに、まとめ買いしたことを少し後悔。
1話、2話と観ているうちに絵柄にも慣れましたが、どうしても違和感が残るのがキャスティングです。なぜ、月野うさぎを演じる三石琴乃さんだけ再起用なのでしょうか。出演者たちの会話のシーンでは、一人だけ浮いているような気がしてきます。大御所の小山茉美さんがクイーン・セレニティを演じていますが、どうしてもなら三石琴乃さんがクイーン・セレニティを演じれば良かったにと思えてきます。
「ダーク・キングダム編」は全14話で終わるため、第8話「美奈子 -SAILOR V-」でセーラー戦士が集結します。1992年版だと第33話「最後のセーラー戦士、ヴィーナス登場」でようやくですので、テンポの良さも今風です。映画2本分で「ダーク・キングダム編」、さらにもう2本分で「ブラック・ムーン編」が完結するため、“いっき見”してみる気になったのですが…
第8話までに比べて第9話から第14話までが非常に長く感じて眠くなってきます。実際、寝落ちしてもう一回観直したシーンもあります。「原作に忠実にTVシリーズを作った」に拘らずに「ダーク・キングダム編」が映画1本分の尺に収まる構成なら、だらけることなく最後まで観ることができるかと思います。セーラー戦士集結までに90分、過去の話で15分、決戦に15分くらいで十分。
そして第15話からの「ブラック・ムーン編」ですが、こちらも第19話あたりまではテンポが良いのですが、そこからが似たようなエピソードが繰り返され眠くなってきます。しかし、中だるみ区間を過ぎて、ちびうさがブラックレディになってしまった辺りからは再び良いテンポになり、終盤へ。「ブラック・ムーン編」も2時間に納めてくれたら良いのにと思えます。
過去のアニメ版に比べて、「セーラーマーキュリー」「セーラーマーズ」「セーラージュピター」「セーラーヴィーナス」が弱すぎます。活躍の場が殆どありません。「セーラームーン」が頑張るための動機付けの役割になってしまっています。パワーバランスとしてはセーラームーンが孫悟空なら四守護神はクリリンです。
四守護神より遥かに強い「セーラーウラヌス」と「セーラーネプチューン」が「デス・バスターズ編」でどのように扱われているのか気になるところですが、ブルーレイ版の中古価格が下がるのを待ちます。
現在「デッド・ムーン編」の劇場版が制作されているようですが、「セーラースターズ編」はどうなるのでしょうか。始めたなら最後までやりきって欲しいと思います。