『ペンギン・ハイウェイ』は謎解きじゃなく、少年の成長記

“謎解きもの”だけど観る側に謎解きを求めずに「主人公が謎解きに挑む姿勢」を見せる作品だと途中で気が付きますが、いつまでも謎解きに拘っているとエンドロールが流れても「?????」になってしまいます。研究熱心な小学4年生の男の子のひと夏の冒険であり、形を作り上げてしまう前の年齢の男の子が謎解きの過程で得た経験から自分の『ペンギン・ハイウェイ』を見つけるお話。お父さんの適格すぎるアドバイスを素直に受け入れる姿勢は、もともと好奇心旺盛で研究熱心な性格に加えて、吸収力が高い年齢ゆえかもしれません。

たまたま「ペンギン・ハイウェイ」を観る前に久しぶりに「ビューティフルドリーマー」を観ました。「ビューティフルドリーマー」は難解な謎解きの元祖みたいな作品ですが、謎は全て解かれます。細かい所まで理解するのに5回以上要した記憶がありますが、謎解きできた後でも何回観ても面白いと思えるところが名作所以です。単なる謎解き作品だと1回観て終わりとなってしまい、特に実写映画だとその傾向にあります。わざわざブルーレイ版を買っても1回しか観なかったという場合はなんだか損した気分になるものです。

ということで、観る前に「『ペンギン・ハイウェイ』は謎解きじゃなく、少年の成長記」を分かっていたら序盤から違う印象を持てたかもしれません。



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