宮崎あおいさん出演作を買い集めていますが、金額が大変なことになるため「新作をすぐに観たい」というわけでなければ中古を安くなってから買うことにしています。「観るだけならレンタルでも良いではないか」という人が多いかもしれませんが、とりあえず円盤を手元に置いておいて、なんとなく観たいと思った時に観るパターンですので、レンタルは無しです。
映画「怒り」のブルーレイ、特に豪華版がなかなか安くならず、1段階値下げして3678円になった時にポチッしました。このポチッのタイミングが結構難しいのですが…
観る観ないに関して洋画は“世間の評判”に左右されることがありますが、邦画に関してはキャスト次第という方針です。
映画「怒り」に宮崎あおいさんと広瀬すずさんが出演しているためポチッしました。両名とも出演していなかったらCATVで放送するまで待っていた可能性大です。
キャスト次第で観るためネタバレ情報無しで観ることになります。この「怒り」も内容を全く知らない状態で観たのですが…
テーマは「人を信じることの難しさ」ですが、なんとも難しい作品です。
罪もない夫婦を殺害し、犯行現場に「怒」の血文字を残して逃走した容疑者「山神一也」。整形した山神は社会に溶け込み逃げ続ける。
「整形」の演出が絶妙で、怪しい3人の男の顔を画像加工して「山神」の顔を作っているため、3人とも「山神」に似ています。
事件から1年後、千葉、東京、沖縄を舞台に同時進行でドラマは進みます。
千葉編
槙 洋平 – 渡辺謙
槙 愛子 – 宮崎あおい
田代 哲也 – 松山ケンイチ
明日香 – 池脇千鶴
東京編
藤田 優馬 – 妻夫木聡
大西 直人 – 綾野剛
藤田 貴子 – 原日出子
薫 – 高畑充希
沖縄編
田中 信吾 – 森山未來
小宮山 泉 – 広瀬すず
知念 辰哉 – 佐久本宝
映画化の際に原作者からのリクエストが「オーシャンズ11のようなオールスターキャストでやりたい」があったように主役級の役者が集結しています。千葉編、東京編、沖縄編がそれぞれ独立した作品になってもおかしくない出演陣です。
素性が分からない怪しい3人の男「田代 哲也」「大西 直人」「田中 信吾」の誰が「山神」なのか。サスペンスものならそれが柱ですが、この作品のテーマは「人を信じることの難しさ」ですので、観る側からすると途中から犯人捜しはどうでもよくなってきます。
多少はネタバレになりますが、千葉編と東京編は信じきれなかったことによる後悔、沖縄編は信じたことの後悔で話は終わります。
怪しい3人の男の演技が上手すぎて、途中から全員が「山神」なのかもしれないと錯覚します。千葉、東京、沖縄は並列した話ではなく、実は「東京→千葉→沖縄」という時系列になっていて山上は整形を繰り返し転々としているのかと予想したのですが、それだと単なる推理ものになってしまいますね。
逆に単なる推理ものなら良かったのですが、この作品は観終わっても妙にもやもやした変な感情が残ります。それは沖縄編に原因があるのですが…
千葉編、東京編、沖縄編が全く絡まない全く関係ない3つの話という点は斬新です。原作者のコメントに犯人は誰かを決めずに3つの話を書いていき、書いていく途中で自然に誰が犯人なのか決まってくるとあります。映画もその通りの展開ですが、どうしても沖縄編だけは個人的には受け入れられません。
詳しい解説はこちらが参考になります。
→ ツタヤ レビュー 『怒り』―感動的ながら、原作の完成度を逆説的に証明してしまった映画