ブルーレイ版「秒速5センチメートル」で映像美を楽しむ

10月13日に「秒速5センチメートル」の小説とブルーレイを注文。小説は15日に届いてすぐに読み終えましたが、欠品中だったブルーレイ版が26日にようやく届きました。


「秒速5センチメートル」のブルーレイにはインターナショナル版と通常版があり、前者には「監督インタビュー(ダイジェスト)」「ほしのこえ」「彼女と彼女の猫」が映像特典になっています。ただ、映像特典はSDサイズらしいので画質に期待できず、そもそも「ほしのこえ」のDVDを持っているのでインターナショナル版を選ぶ必要性はありません。流通量が非常に少ない後者の映像特典は予告編が2本と「One more time, One more chance(山崎まさよし)」のPVです。


実は手に入りやすいDVDで妥協しようかと思ったのですが、レビューの中に「ブルーレイにすべき」というのがあって、繊細な映像美を楽しむためにはブルーレイじゃなければダメらしいのです。わざわざDVDとブルーレイで画質を比較している人もいますね。


Amazonのレビューを見ると、評価が極端に分かれている珍しい作品のようですが、人それぞれ合う合わないがありますので、この作品に関しては他人の意見は参考になりません。この辺は『好きだ、』(監督・脚本:石川寛 出演:宮崎あおい、西島秀俊、永作博美、瑛太)に通じるものがあります。

第一話、第二話に比べて第三話がまるでダイジェストのように感じますが、映像をよく見れば伝えたいことが分かります。余所見などせずに映像に集中しなければならないため、その辺は疲れる作品です。AbemaTV(アベマTV)で放送している時はタブレットで観たため、分かりにくい点が多々あり、それを小説を読むことで補完して、改めてブルーレイで観ると、細かい映像で表現していることが分かります。

「秒速5センチメートル」がバッドエンドだと認識している人は、たぶん伝えたいことを理解できていないのだと思います。

作品には分かりやすさを求められ、分かりやすい作品がヒットする時代ですから、中学生どころか高校生にも理解されない「秒速5センチメートル」が一般受けしないのは当然です。


この作品の第三話の冒頭と最後のシーンである「踏切りですれ違う二人」については、映像特典の「One more time, One more chance」の中で、小学生の二人が踏切を挟んで向かい合うシーンとリンクしています。なぜか本編ではカットされていますが、その映像を観ると「あっそういうことか」と確信すると思います。「踏切から立ち去る時の貴樹の何か吹っ切れた表情」を見れば決してバッドエンドではないことが分かります。

この作品に関しては、小説を読んでからブルーレイを購入してじっくり鑑賞しましょう。



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