健康関連で久しぶりに「これは!」と思えた書籍を読みました。
欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防 (ブルーバックス)
「日本人の体質」を切口にして数多くのデータを使って解説しているため、とても斜め読みできる内容ではなく、一つ一つ理解しながら読み進めたため、読み終えるのに3時間ほど掛かりました。
世の中にあふれている健康関連の書籍には、「肥満を解消」とか「生活習慣病を治す」ためのノウハウおよびその背景にあるものを著者の主観で書かれているものが多いですが、この『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』はそれらとは少し違い、客観的なデータの解説です。
よって、「肥満を解消」とか「生活習慣病を治す」には役に立ちません。あくまでも健康志向が高い“現在”健康な人が“将来”病気にならないための知識習得に役立つものです。
冒頭で“流行り”の健康法を全否定している理由は読み進めるうちに理解できます。しかし、“流行り”の健康法を盲目的に信じている人は反感を覚える可能性は高いです。少しでも“流行り”の健康法に疑問を感じている人は読む価値があります。
最近は「炭水化物が悪の根源」のような風潮がありますが、戦後から年を追うごとに炭水化物の摂取量が減っていった割には「肥満」や「生活習慣病」が増えた理由は何でしょうか。単純に「食べ過ぎ」と「運動不足」それだけのことです。
結局のところ「いつまでも健康でありたい」なら…
・昔ながらの「和食」
・米を必要以上に食べ過ぎない
・赤肉を食べ過ぎない
・加工肉を食べない
・塩分を控えめにする
・アルコールを控えめにする
・タバコは吸わない
・体を動かす(デスクワークの人なら運動をする)
これ以上でもこれ以下でもないということになります。
日本人には、日本人のための病気予防法がある!
同じ人間であっても、外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。
そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。
欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ、逆効果ということさえあるのです。
見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法を、徹底解説!
・日本人は炭水化物を控えてはいけない
・日本人がオリーブオイルを摂りすぎると生活習慣病に
・筋トレをしても、日本人は“やせ体質”にはなれない
・血圧のために減塩すればいいとは限らない
・生活習慣が同じなら、日本人は欧米人より大腸がんになりやすい
・日本人は、欧米人より乳がんになりやすいタイプの乳房を持つ人が多い
・日本人が感染する東アジア型のピロリ菌は、欧米型のピロリ菌と違って胃がんを起こす力が強い
・日本人は、飲酒によって血圧が上がりやすく、すべてのがんの発症率も上がる
・・・・・・など、知られていなかった「日本人ならではの体質」の新常識が満載!体質を知れば常識が変わる
1章 欧米人と日本人は体質が違う
2章 日本人、こんな健康法は意味がない
生活習慣病の新常識
3章 糖尿病
4章 高血圧
5章 脂質異常症と動脈硬化
がん予防のための新常識
6章 がんはどこまで予防できるか
7章 胃がん
8章 大腸がん
9章 乳がん
もっと内容を知りたい場合は「講談社BOOK倶楽部」が参考になります。