なるべく止まらずに走り続けられるコースを開拓して、定期的に走ることが一番効率が良いです。
巡航速度は20~25km/hとして、交差点での加減速、登坂区間、徐行区間などを考慮して平均速度20km/hを維持できるルートを探し出し、40kmと60kmのトレーニングコースの作りましょう。
走行前にはヴァームゼリーを摂取して、40kmコースならば走行中はヴァームウォーターで水分補給するだけで大丈夫です。60kmコースならば中間地点でアミノゼリーでアミノ酸、バナナ(1本)で糖分を補給しましょう。(スポーツドリンク類は厳禁です)
自転車ダイエットを続けると、短期間で内臓脂肪が減るため、ある時期から“脂肪を燃やしてエネルギーに”が難しくなってきます。ここからが自転車ダイエットの第2段階となり、最初の壁でもあります。脂肪が減るペースは落ちますが、長期的な取り組みとしてやっていく自信がある場合は、今までどおりトレーニングコースを走りましょう。
同じペースで脂肪を減らしたい場合は、走る回数を増やすか、走る距離を伸ばすしかありませんが、無意味に距離を伸ばしても脂肪燃焼の効率が悪くなるだけです。効率だけを求めるのならば40kmコースの走行回数を増やば良いのですが、トレーニングコースを毎週末の二日間走るというのも辛くなります。そこで、ハンガーノック対策に取り組みながら、80km~100kmの“ツーリング”を月に2回ほど組み込みます。(40kmのトレーニング4回 + 80km~100kmのツーリング2回)
毎週同じコースを走るというのは飽きてくるので、“ツーリング”を楽しみながら結果的に自転車ダイエットになっているという状態に持っていくことが続けられるポイントかもしれません。ただし、くれぐれもツーリングの途中でカロリーを摂りすぎないこと。(美味いものはカロリーが高い)
なぜ40kmコースなのか?
体重80kgの人が1時間のサイクリング(約20km/時)をした場合を「消費カロリー計算機」で計算してみると…
→ サイクリング(約20km/時):8.0METs・60min. ■> 672kcal (588)
となります。
588kcalが運動した分の時間当たりのカロリー消費量ですので、2時間ならば1176kcalとなります。通常通り食事で2500kcal/日を摂取したとしても運動で約1100kcalも消費したことになり、差し引き1400kcalです。つまり、食事制限をしなくても「食事制限で1400kcal/日に抑える」と同じ効果があり、かつ体調を崩しやすい食事制限ダイエットとは違い、運動ダイエットは健康的に脂肪を減らすことができます。ただし、「通常の食事」なら体重の増減がないという前提条件付きです。「普通に食べても太る」場合、それは食べすぎです。
また運動が2時間を超える場合は体内に蓄えられた糖質がほぼ枯渇してしまうそうで、糖質を補給すれば必然的にカロリーも摂取してしまうため、「運動した分が全てカロリー消費」とはならなくなります。よって余分なカロリーを摂取せずに走りきれる40kmコースがお勧めです。
【補足】
使用する自転車で運動負荷が変わるため注意が必要です。
私の経験では、16インチのミニベロで22km/h、20インチのミニベロで25km/h、700cのロードで28km/hが同等の運動負荷になります。「巡航速度は20~25km/h」というのは20インチのミニベロや700cのクロスバイクを想定したものだとした場合、700cの軽量ロードを使うのならば「巡航速度は25~30km/h」に該当するかもしれません。軽量ロードで巡航速度が25km/h以下というのは遅すぎます。
走る場所、使用する自転車、体重、脚力、慣れ、etc
適切な巡航速度は状況によって様々なため、「心拍計」を使うことをお勧めします。
【追記】
私の経験で「平地に関して言えば、体重がそこそこ重い方が楽」というのがあるのですが、それを実証するデータが見つかりました。
健康づくりのための運動指針2006 – はっとり農園研究所
あくまでも「平地無風状態」という条件ですが、自分の体重を支える労力が無ければ、体重が重いほど運動負荷が下がるとのこと。
どうやら「体重が減ったことでトルクが無くなった」というのは、「体重が減ったことで同じような仕事量をこなすためには、より多くの労力を必要となったから」ということのようです。
自分の体重を支えるためのカロリー消費量、作業量をこなすためのカロリー消費量、両者が複雑に組み合わさるため、単純な計算にはならないようです。
【追記2】
真剣に自転車ダイエットに取り組むのならば、アルコール類は厳禁です。詳しいことは「アルコール分解 グリコーゲン」で検索すると分かりますが、貴重なグリコーゲンをアルコール如きに使ってはダメです。なぜなのかは「グリコーゲン 足りない」で検索してみてください。(脂肪を燃焼させるためにはグリコーゲンが必要です)
【追記3】
食べる量および質も変えていない、決めた月間の走行距離も守っているけど、体重が減らなくなった(減りにくくなった)という人は、基本的なことを理解していないと思います。体重が減れば基礎代謝が減るので同じことをやっていては、体重が減らなくなった(減りにくくなった)というのは当然のことです。「ダイエットについて『基礎代謝』」を参考にすると30、40歳代の男性の場合の基礎代謝基準値は“22.3kcal/kg/日”だそうです。つまり、体重が10kg減ると基礎代謝は223kcal/日減ることになるため、それだけの摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やす必要があります。
基礎代謝
90kg → 2007kcal/日
80kg → 1784kcal/日
70kg → 1561kcal/日
単純計算で90kgの人が70kgになった場合は、(2007-1561)×7で週間3122kcalも消費量が減ることになります。
体重別に消費カロリーを「消費カロリー計算機」で調べてみると…
サイクリング(約20km/時):8.0METs・480min.(8時間の運動)
90kg → 6048kcal (5292)
80kg → 5376kcal (4704)
70kg → 4704kcal (4116)
となり、90kgの人に比べて70kgの人は1176kcalも「安静時代謝を除いた消費カロリー」が少なくなります。
以上の2項目を合算して、90kgだった人が70kgになった時に食事内容をいっさい変えずに運動だけでカバーしようとした場合、どうなるのか…
(5292-4116+3122)/(4116/8)≒8.35
驚くことに8時間20分も余分(?)に自転車に乗る必要があります。(週末に8時間走っていた人は、16時間も走る必要がある)
ということで、「食事内容は全く変えていない!」という考えは間違っているということです。「余分に食べない」の何が余分なのか理解しましょう。