映画「勝手にふるえてろ」他1本


勝手にふるえてろ

主演 : 松岡茉優

OLのヨシカは同期の「ニ」からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代から同級生の「イチ」への思いもいまだに引きずり続けていた。一方的な脳内の片思いとリアルな恋愛の同時進行に、恋愛ド素人のヨシカは「私には彼氏が2人いる」と彼女なりに頭を悩ませていた。そんな中で「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう」という奇妙な動機から、ありえない嘘をついて同窓会を計画。やがてヨシカとイチの再会の日が訪れるが……。

個人的には、ドラマ「水族館ガール」で少し気になり、映画「ちはやふる」の若宮詩暢を演じた時の独特の雰囲気が印象に残っている松岡茉優さん主演の「勝手にふるえてろ」ですが、単なる「ラブコメディ」ではありません。こんな子が近くにいたらめんどくさいんだろうな思えるのですが、多かれ少なかれ今どきの女子はこの主人公のような悩みを持っているとか。全てにおいて「可愛らしい松岡茉優さんが演じているので許される」という演出ですので、絶妙なキャスティングの勝利でしかありません。松岡茉優さんでなければ途中で観るのをやめる可能性100%です。


少女

主演 : 本田翼、山本美月

高校2年生の由紀と親友の敦子は、夏休み前に転校生が親友の死体を見たと話すのを聞いて以来、自分も人の死を目撃してみたいと思うように。そこで由紀は小児科病棟でボランティアをはじめ、余命わずかな少年たちと仲良くなって自らの欲望を満たそうとする。一方、陰湿ないじめに遭い生きる希望を失いかけていた敦子は、誰かの死を見れば生きる勇気を取り戻せるのではないかと考え、老人ホームでボランティアをするようになる。

「湊かなえ原作」というだけで、作品の雰囲気はだいたい分かります。観る気になった理由は主演が本田翼さんだからですが、この作品を観ても本田翼さんにはシリアスものは似合わないと感じます。

ロケ地が地元「愛知」で、馴染み深い風景の映像が映る度に「あの構図で撮ってみよう」と作品とは全く関係ない妄想が頭の中をめぐります。

作中で何度も出てくるキーワード「因果応報」。これをテーマにしたかったとしたら中途半端な構成。なぜ主役の二人が「人が死ぬ瞬間を見たい」と思うようになったのかも不明。

本田翼さんが演じる「桜井由紀」の幼少期に寝ている祖母の顔に濡れタオルを掛ける場面。単なる悪戯なのか殺そうとしたのか。これも不明で、激怒した祖母に硬い物差しで殴られ血だらけになった左手に障害が残り、それ以降は恨みを持ったまま過ごす。

山本美月さん演じる「草野敦子」は剣道が強く、子供のころから全国レベルにあったが、高校のある大会で負けたことでいじめに遭うようになり、由紀と同様に心に闇を持つ。

風呂敷を上手く畳めたようで畳めきれていないのか、そもそも広げていないのかよく分からない「因果応報」。痴漢詐欺の常習犯がその父親が援交で捕まったことを切っ掛けに自殺して、作品は終わる。しかし、主人公の二人にとっては絡みはあったにせよ重要なことではない。

とにかく最初から最後まで暗い物語です。



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