第10話「あなたに逢えてよかった」
悲劇的なラストを迎えることを第一話からずっと示し続け、ついに最終回。だからといって「悲しき別れ」がこのドラマの見せ所であるわけではない。あえてラストシーンを見せず視聴者の想像に任せる演出。
ちょっと肩透かしを食らった感がありましたが、このドラマとしては分かりきっている「悲しき別れ」などはどうでもいいのである。愛を知らずに育った洋子が、人の優しさに触れ、人を信じ、人を愛せる女性に成長していく物語である。
誰もが想像しやすいラストシーンをあえて封印したことで、視聴者にこのドラマのテーマを再認識させることを狙った演出ですが、それだと不平不満&大不評で終わってしまう。そこで子供たちに“泣き所”を任せたわけですが、大人達が足を引っ張る結果。もうちょっとシナリオを煮詰めるべきだったような。
愛されることを知らずに大人になった母親(父親)たちが自分の子供の愛し方を知らない。
自分の子供を虐待する事件が多発している病んだ世の中への警鐘になれそうでなれなかったドラマだったかも。目の付け所は良かったと思うけどね。
さて出演者たちですが、和久井映見さんがなんともいえない絶妙な演技力で主役二人を完璧に食っていたと思う。離婚して何かふっきれたのか演技の幅が広がったような気がします。彼女の今後が楽しみです。菅野美穂さんには、この路線でずっと行って欲しいですね。じき母親役も似合う女優さんになるでしょうし。玉置浩二さんは唄に専念してください。浅野温子さんと共演した「コーチ」は良かったのに…。