ちはやふる「上の句」と「下の句」


ちはやふる -上の句- 通常版 Blu-ray&DVDセット

強くなる、青春全部かけて-
千早(ちはや)・太一(たいち)・新(あらた)の3人は幼なじみ。新に教わった“競技かるた”でいつも一緒に遊んでいた。千早は新の“競技かるた”に懸ける情熱に、夢を持つということを教えてもらった。そんな矢先、家の事情で新が引っ越し、離ればなれになってしまう。
「新にもう一度会いたい、会って『強くなったな』と言われたい」。千早の想いが情熱に変わるとき、百人一首の世界のごとく、世界が色づき始める。高校生になった千早は、新に会いたい一心でなんとか部員を集め、“競技かるた部”を作り、全国大会を目指す。
千早の新への気持ちを知りながらも、かるた部創部を応援し、かるた部の一員となる太一。彼もまた、新に勝たなければ前に進むことが出来ない。「千早に自分の気持ちを伝えたい」。千早、太一、新、そして瑞沢高校競技かるた部の、まぶしいほどに真っ直ぐな想いと情熱が交錯する、熱い夏が来るー。

高校に入学した熱血かるた少女が「かるた部」を創設して曲者揃いのメンバーたちで全国大会を目指す“スポ根”ドラマ。

弱小チームかと思わせても実は主人公は特殊能力の持ち主、メンバーのうちの二人は既に上級の腕前。5人のチーム戦ゆえに残りの2人は人数合わせの役割と分かっていても、そこは青春ドラマらしく、そしてスポ根ドラマらしく、感動のラストに向かって突き進みます。そしてついに…

という感じで、王道の青春熱血ドラマらしいストーリーであり、盛り上がる演出満載の「上の句」です。話の展開としては、高校野球に置き換えると非常に分かりやすいかと思います。

「ちはやふる 上の句」のブルーレイが届いたのが9月27日、妙に期待感があったため珍しく届いたその日に鑑賞して、個人的には大満足の作品です。よって「下の句」に大いに期待していたわけですが…


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感動の二部作、ついに完結―
舞台はいよいよ全国大会へ―。新に東京都大会優勝を報告する千早に、思わぬ新の告白「かるたはもうやらん…」。ショックを受ける千早だが、全国大会へ向けて仲間たちと懸命に練習に励む。
そんな中、千早は、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩暢(わかみやしのぶ)の存在を知る。全国大会の個人戦で詩暢と対決する可能性がある。新に「強くなったな」って言われたい、詩暢に勝てばもう一度新とかるたを取れるかもしれない…
クイーンに勝ちたい! 新に会いたい! 千早の気持ちは次第に詩暢にとらわれ、“競技かるた部”の仲間たちから離れていってしまう。そして、そんな千早の目を覚まさせようとする太一。千早、太一、新の気持ちが少しずつすれ違っていく…。
今、泣きたくなるほど熱いクライマックスの、幕が上がる―!!!

「ちはやふる 下の句」のブルーレイが10月18日に届きました。当然ながらすぐに鑑賞したわけですが、「上の句」のスポ根路線が影を潜めて主人公がドタバタしまくる青春ドラマになっています。

全国大会には「団体戦」と「個人戦」があり、「個人戦」にだけ出場する選手たちがいることで話が複雑になってきます。「上の句」では「個人戦」のことを全く触れていないため、「高校生のかるた大会=団体戦」だと観ている人は思い込んでいるはずです。そこにいきなり「個人戦」の話が出てきて、絶対王者のクイーンの存在を知る主人公。さらにそのクイーンが主人公と同学年。

「何のために“かるた”をやっているんだ」という哲学の話も出てきて、「上の句」のあのハイテンションの展開はどこに行ったんだという感じです。

平々凡々のように見える出演者の中で、クイーン若宮詩暢を演じる松岡茉優さんだけが何かしらの“オーラ”を常に発しているため、少しバランスが悪いように感じます。それがクイーンとしての“存在感”かもしれませんが。

間違っても「下の句」から先に観てはダメです。たぶん「上の句」を観ずに終わることになります。「上の句」から観るとしても、必ず間をおかずに「下の句」を観ましょう。「上の句」の冒頭のシーンが「下の句」のラストシーンに繋がっているため、1本の話だと思えますし、起承転結の起承が「上の句」、転結が「下の句」になっていると分かります。“転”だから「下の句」の前半部分が混沌とした内容になっていると無理やり納得できます。「上の句」が111分、「下の句」が102分、合わせて213分で1本の作品です。

ラストのクイーン戦の場面はあくまでも近い将来あるであろうイメージシーンですので、劇場作品としても「下の句」で物語が終わっているわけではありません。「2」の制作が決定したようですので、クイーン戦にどこまで近づけるのか楽しみです。とりあえず「上の句」と「下の句」は高校1年の夏の話ですから、2年編、3年編とやっていけば毎年制作できますね。



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